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【飲食店 利益率 改善】売価を変えずに利益率を高める原価改善術

【飲食店 利益率 改善】売価を変えずに利益率を高める原価改善術

先日、居酒屋を経営されている会員さんからこんな相談をいただきました。

「ジョイマンさん、うちの店は毎月それなりに売上が立ってるんですよ。でも決算書を開くたびに、なんでこんなに利益が残ってないんだろうって……。値段を上げたいけど、お客さんが離れそうで怖いし、どうすればいいかわからなくて」

これ、本当によく聞く話なんですよ。売上はある、お客さんも来てる、でも手元にお金が残らない。忙しいのに儲からないという状態です。

そしてこういう相談をいただくと、私はまず「値上げの前にやることがあります」とお伝えするんです。

今日はその話をしたいと思います。売価を1円も変えずに、利益率を改善する原価コントロールの考え方です。実際に飲食店で使える具体的な手順をお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。


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利益が残らない本当の原因は「忙しさ」じゃない

まず大前提の話をします。

飲食店の利益構造の目安として、私がよく使う「3・3・3・1」というフレームがあります。売上を100とすると、原価30%・人件費30%・地代家賃10%・営業利益10%、この配分が基本的な目標ラインです。

手元にお金が残らない飲食店の多くは、この原価率か人件費率のどちらか、あるいは両方がオーバーしています。でも実際の現場では、毎月の原価率を計算している経営者がどれほどいるか……正直、少ないですよね。

「なんとなく忙しかったから大丈夫だろう」で月をまたいでしまい、翌月に数字を確認したら思ったより残っていなかった、というパターンです。

忙しさと利益率は別物です。この認識をまず持っておいてほしいんです。

原価率が1%下がると、売上1,000万円の店なら年間で10万円の利益が増えます。3%改善できれば年間30万円です。これ、値段を1円も変えずに実現できるんですよ。


「売価を維持したまま原価率を下げる」5つの具体的な方法

では実際にどうするか。具体的な方法を5つ挙げます。

①仕入れロスと廃棄ロスを見える化する

原価率が高い店の多くは、廃棄ロスが積み上がっています。仕入れた食材がどれだけ使われて、どれだけ捨てられているか、把握できていないケースが多いです。

まずは1週間だけ廃棄した食材を記録してみてください。それだけで「あ、この食材は毎週捨ててるな」というパターンが見えてきます。発注量を見直すだけで原価率が2〜3%改善した例は珍しくありません。

②メニューごとの原価率を計算する

全体の原価率だけ見ていても、どのメニューが利益を食っているか分かりません。主要なメニュー10品だけでいいので、1品ずつ原価を計算してみてください。

意外と「よく出るメニューほど原価率が高い」なんてことがあります。お客さんに人気があって注文が集まるのに、1品売るたびに利益を薄めているという状態です。このメニューの原材料を少し見直したり、盛り付け方を変えたりするだけで改善できることがあります。

③「集客商品」と「収益商品」を分ける発想を持つ

これは非常に重要な考え方です。すべてのメニューで高い利益を取ろうとしなくていいんです。

入口の集客商品(価格が手頃で注文しやすいもの)は原価率が多少高くても構いません。ただし店内で収益商品(利益率の高いもの)をちゃんと売る導線を作る。この役割分担を設計することで、全体の利益率が安定します。

居酒屋でいえば、お通しや生ビールは集客商品。でもドリンクのボトルキープや食後のデザート、季節限定の一品料理が収益商品、という設計ができるわけです。

④仕入れ先との交渉・複数業者比較を定期的に行う

創業当初からずっと同じ業者と付き合っている、という店は多いです。それ自体は悪いことじゃないんですが、値段の見直しをしないまま何年も経過しているケースがあります。

年に1回でいいので、複数の業者から見積もりをもらう習慣を作ってください。既存の業者との関係を壊す必要はないですが、比較することで交渉材料になりますし、知らなかった安い仕入れルートが見つかることもあります。

⑤メニューの品数を絞る

メニューの品数が多ければ多いほど、食材の種類が増えてロスが出やすくなります。品数を絞ることで、仕入れる食材の種類が減り、使い回しが効いて廃棄ロスが減ります。

「品数を減らしたらお客さんが不満を持つんじゃないか」と心配する方が多いんですが、実際に絞ってみると「かえって選びやすくなって良かった」と言われることの方が多いです。メニュー数と売上は比例しません。


「値上げしたい」と思う前に確認してほしいこと

利益が残らないと、すぐに「値上げしよう」という発想になりがちです。もちろん値上げが必要な場面もあります。でも、原価率の管理ができていない状態で値上げしても、同じことが繰り返されます。

値上げの前に、まず今の原価率を把握しているか確認してください。

月ごとに原価率を計算していますか? 廃棄ロスを記録していますか? メニューごとの利益を把握していますか?

この3つがNoなら、まず原価管理から始めることをおすすめします。仕組みができた上で「それでも利益が足りない」となった時に、初めて値上げの検討をする、というのが正しい順番です。

また、値上げをするにしても「全メニューを一律に上げる」のは避けてください。集客商品(入口価格)は据え置いて、収益商品だけ上げる。これがお客さんの離反を最小限に抑えながら利益を改善する方法です。


実際にこの考え方を使って利益が改善した事例

中華料理店を経営している会員さんの事例をご紹介します。

その方はPOPとメニューブックの改善に取り組み、客単価が5%アップして売上過去最高を更新されました。でも面白いのは、値段を上げたわけじゃないんです。

メニューブックの見せ方を変えて、利益率の高いメニューが自然と目に止まるように設計し直しました。それだけで注文の構成が変わり、同じ売上でも利益が残るようになったということです。

お客さんは「おいしそう」「これ頼んでみよう」という気持ちで注文します。どのメニューが目に入るか、どれが魅力的に見えるか、その設計一つで利益率は変わります。

また、1,800円で売れなかった自家製ドレッシングを5,000円に値上げしたところ逆に売れるようになり、全国の雑誌・新聞に取り上げられた飲食店の事例もあります。価格と価値の関係を正しく設計すれば、値上げが武器になる場面もあるんです。

ただしこれは、原価管理と商品設計がきちんとできた上での話です。


まとめ:利益率改善は「今すぐできる」ことから始める

今日お伝えしたことを整理します。

飲食店の利益率が低い理由は、売価が低いことじゃなく、原価管理の仕組みができていないことがほとんどです。廃棄ロスを記録する、メニューごとの原価率を計算する、集客商品と収益商品を分ける──これを一つひとつやっていくことで、売価を変えずに利益は改善できます。

「今の行動の結果が今の売上」というのは、私がよくお伝えする言葉です。原価率を管理する習慣を作ることが、3ヶ月後・半年後の利益に直結します。ぜひ今日から一つ、試してみてください。

具体的に「自分の店でどこから手をつければいいか」を整理したい方は、まず販促と利益改善の考え方をまとめた教材をご覧ください。顧客の購買行動を軸にした実践的な内容になっています。

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ハワードジョイマン(中小企業診断士/有限会社繁盛店研究所 代表)

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