【飲食店 テイクアウト 始め方】失敗しないテイクアウトの始め方
結論から言うと、テイクアウトで失敗する飲食店の多くは「始め方」ではなく「利益の設計」を間違えています。
こんにちは、ハワードジョイマンです。静岡市清水区を拠点に、全国1,000店舗以上の飲食店・美容室の繁盛を支援してきた経営コンサルタントです。
テイクアウトを始めたいという相談は、コロナ禍以降ぐっと増えました。でも正直に言うと、「始めたものの全然儲からない」「忙しくなったのに手元にお金が残らない」という声も同じくらい多いんですよ。
テイクアウトは、やり方次第で売上と利益の両方を底上げできる強力な武器になります。でも、メニューの設計と利益の計算を間違えたまま走り出すと、忙しいだけで終わる。今日はその「失敗しない始め方」を、現場目線でお伝えしていきますね。
こんな方におすすめ
- ✅ テイクアウトを始めたいが何から手をつければいいかわからない飲食店オーナーの方
- ✅ テイクアウトを始めたけど利益が出ていないと感じている方
- ✅ イートインだけでは売上の天井を感じている方
- ✅ 閑散時間帯の売上をテイクアウトで補いたいと考えている方
- ✅ 少ない手間で利益率の高いテイクアウトメニューを設計したい方
テイクアウトを始める前に「利益が出るか」を必ず確認する
まず最初に押さえてほしいのがここです。テイクアウトは「始めること」が目的じゃないですよね。利益を増やすことが目的のはずです。
ところが多くの飲食店さんが、イートインのメニューをそのままテイクアウト価格に転用してしまう。これが最大の落とし穴なんですよ。
イートインの場合、お客さんは席・サービス・雰囲気にもお金を払っています。でもテイクアウトはそれがない。だからといって価格を下げると、原価率と手間だけが増えて手元には何も残らない、という状態になりやすい。
テイクアウトで利益を出すための考え方は、シンプルにこの3つです。
① 原価率が低いメニューを選ぶ(目安は30%以下)
② 仕込みの手間がイートインと共有できるメニューにする
③ パッケージ(容器・袋)のコストを価格に反映させる
例えば、から揚げや焼き鳥のような揚げ物・焼き物系は原価率を抑えやすく、冷めても食べやすいのでテイクアウト向きです。逆に、提供タイミングがシビアなラーメンや揚げたて必須の天ぷらは、品質が落ちやすくクレームにもつながりやすいので慎重に判断してほしいですね。
「テイクアウトでも同じ料理を出したい」という気持ちはよくわかります。でも商売は問題解決業・要望実現業なんですよ。お客さんが「テイクアウトで買って帰って家で食べたい」と思うのはどんなシーンか、を先に考えてメニューを設計する。これが基本の発想です。
テイクアウトメニューの設計は「集客商品」と「収益商品」に分ける
これ、テイクアウトでも使える考え方なんですよ。
入口になる「集客商品」は、手が届きやすい価格で「ちょっと試してみようかな」と思ってもらうためのもの。そして利益の柱になる「収益商品」は、リピーターや固定客に「いつもこれを買いに来る」と思ってもらうためのもの。
例えばこんな感じです。
・集客商品:300〜500円程度の手軽なおにぎりセット・唐揚げ単品・日替わりのお惣菜
・収益商品:特製のタレや自家製ドレッシング付きの豪華お弁当・2〜3人前の家族向けセット・ちょっと特別な日用のオードブルセット
収益商品の設計のポイントは「ノウハウ・ストーリー・コンセプト」をしっかりつけることです。「うちの店の20年来のタレを使った特製弁当」「地元野菜だけを使った季節の一番重」など、背景が見えると価格の根拠が生まれます。単なる「お弁当」ではなく「このお店じゃないと手に入らないもの」にする工夫が、価格競争から抜け出す鍵です。
「1,800円で売れなかった自家製ドレッシングを5,000円に値上げしたところ逆に売れ、全国雑誌・新聞に取り上げられました。価格を上げることへの恐怖心が完全になくなりました」
飲食店オーナー(物販活用事例)
値段を上げると売れなくなると思い込んでいる方が多いですが、背景・ストーリー・価値の伝え方次第で、高い価格の方がむしろ「これは特別なもの」として売れることがあるんですよ。テイクアウトの物販メニューを考える時も、この視点を忘れないでほしいです。
✓ ここまでのポイント
- テイクアウトはイートインメニューの「そのまま流用」ではなく、原価率・手間・品質保持を考えてメニューを選ぶ
- 「集客商品」と「収益商品」を分けて設計することで、安売りしなくても利益が出る構造が作れる
- 商品にストーリーやコンセプトをつけると、価格の根拠が生まれ価格競争から抜け出せる
テイクアウトの告知・集客はこの順番で動く
メニューと価格が決まったら、次は「知ってもらうこと」です。でも闇雲に動くと時間とお金をムダにします。効率的な順番があるんですよ。
① まず既存のお客さんに知らせる
一番最初にやるべきは、すでにお店に来てくれているお客さんへの告知です。LINE公式アカウントやハガキで「テイクアウトを始めました」と直接お知らせする。これが最もコストがかからず、かつ反応率が高い方法です。
新規のお客さんを集めるより、今いるお客さんに「もう一つの使い方」を提案する方が、時間もお金もはるかに少なくて済む。新規客には時間をかけない、既存客には時間をかける──この原則はテイクアウトでも同じです。
② 店内POPで気づいてもらう
来店中のお客さんに「テイクアウトもやってますよ」と伝えるのは、レジ横や入口のPOPが一番手軽で効果的です。特に、帰り際に「今日のおすすめ、お持ち帰りもできますよ」と一言添えられる文章をPOPに書いておくと、追加購入につながります。
③ GoogleマップとSNSで外からも見えるようにする
既存客への告知が終わったら、外向けの集客に動きます。Googleマップの投稿機能や写真更新は無料でできる上に、「近くのテイクアウト」検索にかかりやすくなります。まず手軽にできることからやってみてください。
食べログやぐるなびにテイクアウトのページがあれば、そちらも整備しておくと入口が増えます。一度整備しておけば、あとは仕組みが働いてくれるので楽ですよ。
テイクアウトで失敗しないための「やめておくべきこと」
ここからは、実際に多くの飲食店さんが踏んでしまう失敗パターンをお伝えします。
× 全部のメニューをテイクアウト対応にしようとする
最初からメニュー全体をテイクアウト対応にしようとすると、オペレーションが一気に複雑になります。まずは2〜3品に絞って始める。それで回ってきたら少しずつ広げる。最初の品数は少なくていい。
× 注文が入ってから考える
容器・袋・ラベルの手配、価格設定、スタッフへの周知──これが後回しになっていると現場が混乱します。テイクアウトを「始める前」にオペレーションを一通り書き出しておくこと。「注文が来てから考える」では現場が疲弊します。
× 利益計算をしないまま始める
これが一番多い失敗です。イートインと同じ金額でテイクアウトを出すと、容器代・袋代・人件費の増加分だけ利益が削られます。必ず「テイクアウトした時の原価率と粗利」を計算してから価格を決めてください。
「POPとメニューブックを改善しただけで客単価が5%アップ。売上が過去最高になりました。小さなことでもちゃんと数字に出るんだと実感しました」
中華料理店オーナー
数字はちゃんと見てください。「なんとなく売れてる」「なんとなく忙しい」では、いつまでも利益が残らない状態が続きます。翌月5日には前月の売上・原価・利益を確認する習慣をつけるだけで、経営の感覚がガラッと変わりますよ。
テイクアウトをきっかけに「お客さんとの接点」を増やす発想へ
テイクアウトを始める一番の意義は、「お店に来られない日でも、お客さんとつながれる窓口が増えること」だと私は思っています。
店内・テイクアウト・デリバリー・通販。この4つの窓口を持つことで、1人のお客さんが1年間にお店に使ってくれる金額(累計利益)がぐっと上がります。「テイクアウトでいつも買うお客さんが、記念日には食事にも来てくれる」という関係が理想的ですよね。
テイクアウトを単なる「暇な時間帯の穴埋め」として考えるのではなく、「お客さんとの接点を増やして1人あたりの累計利益を最大化する仕組みの一つ」として位置づけてほしいんです。
「テイクアウトを買ってくださったお客さんにLINEでフォローし、次回の来店につなげる」という流れを設計できれば、テイクアウトは集客の入口にもなります。
仕組みに働いてもらう──これがテイクアウトを長続きさせるコツです。
まとめ:失敗しないテイクアウトは「利益の設計」から始まる
今日お伝えしたことをまとめますね。
テイクアウトで失敗しないための要点は、この5つです。
① メニューは「原価率・手間・品質保持」で選ぶ
② 「集客商品」と「収益商品」を分けて設計する
③ まず既存のお客さんへの告知から始める
④ 利益計算を先にしてから価格を決める
⑤ テイクアウトをお客さんとの「接点の窓口」として位置づける
テイクアウトは始めること自体は難しくありません。でも「始めてよかった」と思えるかどうかは、最初の設計にかかっています。忙しくなるだけで利益が残らない、という状態だけは避けてほしいですね。
私・ハワードジョイマンは、静岡市清水区を拠点に、北海道から沖縄まで全国1,000店舗以上の飲食店・美容室の支援をしてきました。中小企業診断士として経営の数字を押さえながら、現場に即したアドバイスを届けることを大切にしています。
「テイクアウトを始めたいけど、どのメニューにすればいいかわからない」「価格設定が自信を持ってできない」という方は、ぜひ一度、販促の設計を一緒に見直してみましょう。
まずはこちらの無料の教材から、お客さんの動きに合わせた販促の考え方をつかんでみてください。テイクアウトのメニュー設計にもそのまま応用できる内容です。
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テイクアウトをきっかけに、お店の利益の構造を見直してみてください。ぜひ一歩踏み出してみてくださいね。