オペレーション改善

【飲食店 2店舗目 出店】2店舗目を出す前に整えておくべき5つのこと

結論から言うと、2店舗目の出店で失敗する経営者の多くは、「1店舗目がうまくいっているうちに早く展開したい」という焦りから、準備が整う前に出てしまっているんですよ。

2店舗目を出すこと自体は素晴らしい判断です。でも、順番を間違えると、1店舗目で積み上げてきた利益と信頼を一気に崩すことになりかねない。僕はこれまで全国1,000店舗以上の飲食店・美容室の経営者を支援してきましたが、多店舗展開で躓いた人には、ほぼ共通した「整えるべきものを整えていなかった」という原因があります。

この記事では、実際に2店舗目・3店舗目と展開して成功した会員さんの事例をベースに、「出店前に必ずやっておくべき5つのこと」を具体的にお伝えします。今まさに2店舗目を検討している方はもちろん、「将来的に多店舗を目指したい」という方にも、ぜひ読んでいただきたい内容です。

こんな方におすすめ

  • ✅ 1店舗目が軌道に乗り、2店舗目の出店を具体的に考え始めた飲食店オーナーの方
  • ✅ 多店舗展開したいけれど、何から準備すればいいかわからない方
  • ✅ 2店舗目を出したはいいが、経営が安定せず悩んでいる方
  • ✅ 自分がいなくてもお店が回る仕組みを作りたい方
  • ✅ 将来的に事業を大きくして出口戦略(売却・承継)も視野に入れている方

2店舗目で失敗する人に共通するパターン

ちょっとリアルな話をしますね。僕のところに相談に来る経営者さんの中に、「2店舗目を出してから一気に資金繰りが苦しくなった」という方が一定数います。

話を聞くと、だいたいこんな流れなんですよ。

1店舗目は繁盛していた。立地も良くて、料理も美味しくて、常連さんにも恵まれていた。「よし、次のお店を出そう」と物件を契約して、スタッフも採用して、オープンした。ところが、2店舗目に時間とお金をかけすぎて1店舗目がおろそかになり、両方が中途半端な状態に……。

1店舗目の成功は「自分がいたから」という部分が実は大きかった、ということに気づくのが遅かったケースです。自分が抜けた瞬間に、売上が下がり始める。よくあるパターンです。

つまり、「1店舗目が繁盛していること」と「2店舗目を出せる状態にあること」は、まったく別の話なんですよ。

整えておくべき5つのこと【実践事例つき解説】

① 社長がいなくても売上が落ちない仕組みを作る

これが一番重要です。2店舗目を出す前の大前提として、「1店舗目がオーナー不在でも回る状態」を作ることが必要不可欠です。

実際に増益繁盛クラブの会員さんで、居酒屋1店舗から2店舗目・3店舗目へと展開した経営者の方がいます。その方が2店舗目を出す前にやったのは、まず「自分の仕事を全部書き出すこと」でした。

仕込み・発注・シフト管理・売上集計・スタッフへの指示……。書き出してみると、「これ、別に自分じゃなくてもできるな」という仕事がたくさん出てきたそうです。細かく分解してみると、「自分にしかできない仕事」って実は思っていたより少ないんですよ。

料理長に仕込みを任せる、シフト管理は主任スタッフに権限を渡す、売上集計はフォーマットを作ってスタッフが入力できるようにする。こういった標準化を1店舗目で徹底してから、初めて2店舗目に踏み出した。だから1店舗目も守れたし、2店舗目も安定した立ち上がりができたわけです。

② 利益が出る価格設計と数字の把握を徹底する

2店舗目を出すと、固定費が2倍になります。家賃・人件費・光熱費……。これを支えるだけの利益体質が1店舗目にあるかどうか、ちゃんと確認していますか?

よく「1店舗目が繁盛しているから大丈夫」という感覚で進んでしまう方がいますが、繁盛していても利益率が低ければ、2店舗目の固定費を賄うだけの余力がない場合があります。

飲食店の場合、目安として原価30%・人件費30%・地代家賃10%・営業利益10%という数字がありますが、実際にこれを把握している経営者が少ないんですよ。「なんとなく売上は上がってるし大丈夫だろう」では、2店舗目に出た途端に資金繰りが苦しくなります。

「翌月5日ルール」──前月の売上・原価・人件費・利益を翌月5日までに確認する。この習慣が身についていない状態で2店舗目に進むのは、正直かなりリスクが高いです。数字の把握と利益管理を1店舗目でしっかり習慣化してから次に進む、ということが大切です。

③ 「VIP顧客リスト」と「再来店の仕組み」を整備する

2店舗目のオープン集客を成功させる最大の武器は、1店舗目で育てた「ファン」です。

新規のお客さんをゼロから集めるより、既存のお客さんに「新しいお店もできたので来てください」と伝える方が、何倍もコストが低くて効果的なんですよ。だからこそ、2店舗目を出す前の段階で、顧客リスト(LINE・ハガキDMなど)が整備されていることが重要です。

「VIP顧客リストを整備してLINEを活用したところ、1人あたりの累計利益が大幅に引き上がりました。2店舗目のオープン告知も既存のお客さんへの連絡から始めたので、オープン初日から満席になりました。」

飲食店オーナー(40代・男性)

VIP顧客リストとは、来店回数・利用金額・最終来店日などが把握できるお客さんのデータのことです。エクセルでもLINE公式アカウントの管理画面でも、どんな形でも構いません。「よく来てくれている大切なお客さん」が見える化されている状態を作ること。これが2店舗目成功の土台になります。

✓ ここまでのポイント

  • 2店舗目を出す前に、1店舗目がオーナー不在でも回る仕組みを作ることが最優先
  • 利益率の把握と「翌月5日ルール」による数字管理が2店舗目の土台になる
  • 既存顧客リストとLINE再来店導線が、2店舗目オープン集客の最大の武器になる

④ 採用・育成の「型」を先に作る

2店舗目を出すと、必然的に人が増えます。採用・育成・シフト管理……これらを感覚と経験値だけでやっていると、必ず壁にぶつかります。

増益繁盛クラブの会員さんで治療院を4店舗まで展開した方がいますが、その方が言っていた言葉が印象的でした。「多店舗展開で一番大変だったのは料理でも立地でもなく、人でした」と。

求人のやり方・面接の基準・採用後の教育プロセス・スタッフが長く働きたくなる職場環境──これらを仕組み化しておかないと、2店舗目を出したはいいが常に人手不足という状況になります。

求人のコツとしては、「誰でも歓迎」ではなく「こういう価値観の人と働きたい」という言葉で呼びかけること。「新しいことにチャレンジしたい方」「短時間でテキパキ働きたい方」という絞り込みが、長く活躍してくれるスタッフを引き寄せます。

「求人広告の出し方を変えて、まかない食べ放題などの具体的な訴求を入れたところ、これまでとは全然違う優良スタッフが採用できました。スタッフが安定したことで、2店舗目の準備が本格的に動き出せました。」

飲食店オーナー(30代・男性)

⑤ 2店舗目の「役割」と「出口」を先に決める

最後にこれ。意外と見落とされているんですが、「2店舗目を何のために出すのか」という目的と、「うまくいかなかった時の撤退基準」を先に決めておくことです。

漠然と「規模を大きくしたい」「売上を増やしたい」というだけで出店すると、判断がブレやすくなります。2店舗目は「新しい客層を取りに行くため」なのか、「既存客の利便性を高めるため」なのか、「将来的に事業売却の選択肢を持つために店舗数を増やす布石」なのか、目的によってやるべきことが変わってきます。

また、居抜き物件を使って初期投資を抑え、3年区切りで「このラインを下回ったら撤退する」という基準を先に決めておくことが、リスクを最小化するやり方です。撤退は負けではなく、事業判断の一つです。

実際に増益繁盛クラブゴールドの会員さんの中には、複数店舗を展開した後に一部上場企業に事業を買い取ってもらうという、理想的な出口を実現した方もいます。これは「店舗数が積み上がったから」こそ実現できたことでもある。長期で見た時の事業設計として、多店舗展開には大きな意味があるんですよ。

まとめ:2店舗目の成功は「出す前」に9割が決まる

改めて5つを整理すると、こういうことです。

① 社長がいなくても1店舗目が回る仕組みを作る
② 利益体質と数字管理を習慣化する
③ VIP顧客リストとLINE再来店導線を整備する
④ 採用・育成の型を先に作る
⑤ 2店舗目の目的と撤退基準を先に決める

この5つ、実はすべて「準備」の話なんですよ。2店舗目を出してから整えようとしても、もう時間的・資金的な余裕がなくなっている場合がほとんどです。だから「出す前」にやる。それだけで、成功の確率は大きく変わります。

1店舗目が繁盛している今こそ、次の一手の準備を始める最良のタイミングです。「忙しいから準備できない」ではなく、「忙しい今だからこそ、仕組みを整えることにフォーカスする」。この発想の転換が、経営者としての次のステージへの入り口になります。

多店舗展開について「自分の店でも具体的に考えてみたい」という方は、ぜひ一度こちらをご覧ください。全国の飲食店・美容室経営者が実践で使ってきた販促・経営の考え方を体系的にまとめています。

顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書

また、毎月全国の飲食店・美容室・整体院などの経営者が集まる「増益繁盛クラブゴールド」では、多店舗展開を実現した先輩会員さんのリアルな事例を共有しながら、自分のお店に合った経営の仕組みを一緒に作っていけます。初月はお試し体験からスタートできますので、まずは覗いてみてください。一緒に次のステージを目指しましょう。

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