「観光客が多い立地なのに、なぜか地元のお客さんが来てくれない」「地元の常連さんは来てくれるけど、観光シーズンが終わったら一気に暇になる」──こんなお悩みを持っている海鮮居酒屋のオーナーさん、結構多いんですよ。
私、ハワードジョイマンは静岡市清水区を拠点に、全国1,000店舗以上の飲食店・美容室の経営支援に携わってきました。清水港のすぐそばで育った地元っ子でもあるので、海鮮居酒屋の現場感は肌でわかるんです。
観光客と地元客、この2つを両立するのって一見むずかしそうに見えますよね。でも実は、順番と考え方を少し変えるだけで、どちらも無理なく集められるようになります。今日はその具体的な方法を、基本からわかりやすくお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 観光客と地元客それぞれが求めているものの違い
- どちらの客層にも響く「入口の作り方」
- 地元客を常連化させてオフシーズンを乗り越える仕組み
- 観光客から口コミ・再訪問につなげる具体的な手順
こんな方におすすめ
- ✅ 観光立地にある海鮮居酒屋を経営しているオーナーさん
- ✅ 観光シーズンとオフシーズンで売上の波が大きくて困っている方
- ✅ 地元のお客さんにもっと通ってもらいたいと思っている方
- ✅ 集客のために何から手をつければいいかわからない方
- ✅ 広告費をかけずにリピーターを増やしたいと考えている方

観光客と地元客は「求めているもの」がそもそも違う
まずここを押さえてほしいんですけど、観光客と地元客って、同じ「お客さん」でも求めているものがまるで違うんですよ。
観光客が求めているのは、ざっくり言うと「この土地でしか食べられない体験」です。「清水に来たから、本物の海鮮を食べたい」「地元の人が行く本物の店に入りたい」という気持ちがある。つまり、非日常感と本物感が刺さります。
一方で地元のお客さんが求めているのは、「安心して通える身近な場所」です。価格、スタッフとの関係性、使いやすさ、居心地。「また来たい」と思えるかどうかは、料理の味だけじゃなく、そういったトータルの体験で決まります。
この2つを混同して、どちらにも同じアプローチをしてしまうと、どちらにも刺さらない中途半端な店になってしまいます。大切なのは、入口は別々に作って、店内では同じ「体験の質」で満足してもらうこと、なんですよね。
チェックポイント①:あなたの店は今、どちら寄りになっていますか?
観光客向けの発信(Googleマップ、食べログ、インバウンド対応など)と、地元客向けの発信(LINE、ハガキ、常連向け特典など)のどちらかに偏っていないかを確認してみてください。
✅ ポイント:2つの集客チャネルが別々に設計されているかをチェックする。どちらかが抜けている場合、まず「弱い方」から整備するのが先決です。
観光客を集めるための「入口の整備」はここから始める
観光客が店を選ぶとき、どこで情報を見ているかといえば、ほぼGoogleマップ・食べログ・SNSです。まずここを整えることが第一歩です。
集客整備 STEP 1
Googleビジネスプロフィールを「選んでもらえる内容」に仕上げる
店名・営業時間・住所だけ入れて終わり、という状態のお店が本当に多いです。観光客は「清水 海鮮居酒屋」とか「静岡 魚 おすすめ」で検索して、一覧に並んだ複数の店から選ぶわけです。その一覧で「この店だ」と思ってもらうために、写真・コメント返信・メニュー掲載を徹底してください。特に写真は、料理だけじゃなく「店内の雰囲気」「漁港から仕入れた魚の写真」などストーリーが伝わるものが効きます。
⚠️ よくある失敗:写真を一度アップしたまま放置。季節のメニューや新着情報を定期的に更新しないと、「更新されていない=活気がない店」と判断されてしまいます。
集客整備 STEP 2
食べログ・ホットペッパーのプロフィール欄で「他店との違い」を伝える
一覧に並んだとき、「地元の漁師から直接仕入れた朝どれの魚を使っています」という一言があるだけで、他の店と差別化できます。ポータルサイトの一覧ページで「探していたのはこれだ」と思ってもらえる言葉を、プロフィール欄の冒頭に持ってきてください。観光客は悩みを持っています。「地元の本物を食べたい」という悩みに応える言葉を選ぶことが大事です。
⚠️ よくある失敗:「新鮮な海鮮料理をご提供しています」という表現は、どの海鮮居酒屋も書いていること。「何が新鮮なのか」「どこから来た魚なのか」を具体的に書きましょう。
✓ ここまでのポイント
- 観光客と地元客は求めているものが違うため、集客の入口を分けて設計することが大前提
- 観光客向けにはGoogleマップ・食べログ・ホットペッパーを「選んでもらえる内容」に整備することが最初のステップ
- プロフィール欄は「他の店と同じ言葉」ではなく、自店ならではの具体的な情報を入れることが差別化のポイント
地元客をリピーターにする「再来店の仕組み」を作る
地元のお客さんにとって、海鮮居酒屋は「また来る場所」になるかどうかが勝負です。一度来てもらうことはできても、次の来店につながらないお店は本当に多いんですよ。
ここで使ってほしいのが、LINE公式アカウントとハガキの組み合わせです。
LINE公式アカウントは、来店してくれたお客さんに「友だち登録してください」と声をかけることで、次回来店のきっかけを作れます。「今月の旬の魚入りました」「週末限定メニューのお知らせ」など、タイムリーな情報を届けることで、自然と足を運んでもらえる機会が増えます。
そして意外と効果が高いのが、ハガキです。実際に私が支援している飲食店で、ハガキによる再来店対策を実施したところ、来店が月4回ペースのお客さんが続出し、平均来店間隔が2ヶ月に1回から大幅に短縮されたという事例があります。デジタルが当たり前の今だからこそ、紙のハガキは手に取ってもらいやすく、記憶に残ります。
「ハガキによる再来店対策だけで、来店が月4回ペースのお客様が続出しました。平均来店間隔も大幅に短縮されて、常連さんが増えたことで売上が安定してきました」
飲食店オーナー(地方都市・個人経営)
地元客の再来店を増やすうえで大切なのは、「新規のお客さんを集めること」より「一度来てくれたお客さんに、また来てもらうこと」を先に考えることです。新規集客にばかりエネルギーを注いでも、来てくれた人がリピートしてくれなければ、ざるに水を注ぐのと同じです。
順番は決まっていて、①店内販促で客単価アップ → ②再来店対策で来店頻度アップ → ③新規集客、この順番が最も効率がいいんですよ。
「新規客には時間をかけない、既存客には時間をかける。この順番を間違えると、集客にエネルギーを使い続けて疲弊するだけなんですよ。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 代表)
観光客と地元客を「共存」させるための店内設計
観光客が来るにぎやかな時間帯と、地元の常連さんがゆっくりくつろぐ時間帯をうまくすみ分けることで、どちらも快適に過ごせる空間を作ることができます。
具体的には、席のゾーニングや時間帯別のメニュー構成が有効です。たとえば、観光客向けには「清水港直送の海鮮盛り合わせセット」などのわかりやすいセットメニューを用意する。一方で地元の常連さん向けには、「今日のおすすめ黒板」や「常連限定の一品」など、会話が生まれるメニューを設ける。
また、観光客の「口コミ」をうまく活かすことも大事です。食事のタイミングに「Googleマップのクチコミをいただけると励みになります」と一言添えた小さなカードをテーブルに置くだけで、口コミが自然に積み上がっていきます。この口コミが次の観光客を呼び込む仕組みになるんですよ。
❌ よくある失敗パターン
- 観光客向けにメニューを統一しすぎて、地元の常連さんが「なんか変わっちゃったな」と足が遠のく
- 地元客向けの居心地を優先しすぎて、観光客に「入りにくい」と感じさせる
✅ 推奨アプローチ
- セットメニュー(観光客向け)と黒板メニュー・会話メニュー(常連向け)を並存させる
- スタッフが観光客には「どこから来たんですか?」と会話を添え、地元客には顔なじみの関係性で接客する──ゾーニングはメニューだけでなく、接客でも作れます
「客数を前年比40%増やして、売上・利益ともに過去最高を更新することができました。正直、こんなに早く結果が出るとは思っていませんでした」
飲食店オーナー(個人経営・地方都市)
オフシーズンを乗り越えるための「地元密着」戦略
観光立地の海鮮居酒屋が最も怖いのは、観光シーズンが終わった後の暇な時期です。観光客だけを頼りにしていると、オフシーズンに売上が一気に落ちてしまう。ここを地元のお客さんとの関係で埋めていく、それが安定経営の肝です。
地元密着のための具体的な手はいくつかあります。
まず、法人・団体向けの宴会・接待ニーズを取りに行くことです。地元の会社の飲み会、PTA、スポーツチームの打ち上げ──これを取れるようになると、平日の客数が安定します。団体向けのホームページページやランディングページを整備するだけで、法人・団体からの問い合わせが継続的に発生するようになった事例もあります。
次に、物販の活用です。「うちの店でしか買えない商品」を作って、通販や手土産として販売する。たとえば、自家製の漬けダレや出汁、海鮮の加工品など。1,800円で売れなかった自家製ドレッシングを5,000円に値上げしたら逆に売れ、全国の雑誌・新聞に取り上げられた飲食店の事例があります。「高くしたら売れなくなる」は思い込みで、価値を正しく伝えれば価格を上げても売れるんですよ。
「お客さんは神様じゃない。自分で客層を選ぶ。地元でインディーズバンドのように根強いファンを作ることが、長く続くお店の王道なんですよ。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 代表)
メジャーデビューを目指して全方位に発信するより、「清水といえばあの海鮮居酒屋」「地元の人が連れて行きたい店」と思ってもらえる存在を目指す。それが長続きする繁盛店の姿です。
まとめ:観光客と地元客の両立は「設計」で決まる
今日お伝えしたことを整理すると、観光客と地元客を両立するために必要なのは、気合でも根性でもなく、「設計」です。
まず、それぞれのお客さんが何を求めているかを理解する。次に、入口(集客チャネル)を別々に作る。観光客にはGoogleマップ・食べログなどのポータルサイトを整備し、地元客にはLINE・ハガキで再来店の仕組みを作る。店内では、メニューと接客の両方で両者が共存できる工夫をする。そしてオフシーズンは、地元の法人・団体需要と物販で売上を補う。
この順番で一つひとつ整えていくことで、「観光シーズンだけ賑わって、あとは暇」という状態から抜け出せます。
もし「自分のお店の場合、どこから手をつければいいかわからない」という方は、まず現状の顧客の流れを「認知→入店→客単価→購入点数→再来店→口コミ」の順番に書き出してみてください。どの段階が弱いか見えてくると、やるべきことが絞れてきます。
販促の考え方をもっと体系的に学びたい方には、こちらの資料が参考になります。ぜひ手に取ってみてください。
また、全国の飲食店・美容室オーナーと一緒に学べる会員制のサポートも用意しています。初月はお試し体験ができますので、まずは気軽にのぞいてみてください。一人で悩まずに、ぜひご活用ください。
静岡市清水区を拠点に、日本全国・海外の経営者の方からのご相談にも対応しています。オンラインでも対面でも、お気軽にご相談ください。お待ちしています。