年が明けて少し経つと、多くの飲食店オーナーさんから「今年こそ売上を大きく伸ばしたい」という声をよく聞くんですよ。でも正直なところ、「年商1億円」って言葉を聞いた瞬間に「自分には関係ない話だな」と思ってしまった方もいるんじゃないですかね。
1店舗で年商1億円って、ものすごく遠い話のように聞こえますよね。でも実際には、客席数30〜40席の飲食店でも十分に到達できる数字なんです。問題は「何をすればいいかわからない」「何から手をつければいいかわからない」ことであって、仕組みさえわかれば道筋は見えてきます。
ぼくは静岡市清水区を拠点に、20年以上・全国1,000店舗以上の飲食店・美容室の経営支援をしてきました。その経験から断言できるのは、年商1億円を達成しているお店には「共通した順番」があるということ。今日はその具体的なステップをお伝えしますね。
📋 この記事でわかること
- 年商1億円を「数字」で分解すると何が見えてくるか
- 客単価・来店頻度・客数、どの順番に手をつけるべきか
- 店内販促・再来店対策・新規集客を正しく組み合わせる方法
- 頑張らずに利益が残り続ける仕組みの作り方
こんな方におすすめ
- ✅ 飲食店1店舗経営で年商1億円を目指している方
- ✅ 売上は立っているのに利益が手元に残らないと感じている方
- ✅ 場当たり的な販促を繰り返していて、そろそろ仕組みを作りたい方
- ✅ 客数を増やすより先にやるべきことを整理したい方
- ✅ 忙しく働いているのに年商が頭打ちになっている飲食店オーナーの方

まず「年商1億円」を数字に分解してみる
年商1億円、と聞くと漠然とした大きな目標に見えますよね。でも分解するとびっくりするくらいシンプルな数字になるんですよ。
年商1億円 ÷ 12ヶ月 = 月商約833万円。これを1日に換算すると、月25営業日として約33万円です。客単価3,000円なら1日110人。客単価5,000円なら1日67人。客席40席のお店が1日2回転するだけで、客単価5,000円なら80人来ていることになる。
「あ、意外と届くかもしれない」と感じてきませんか。ここで大事なのは、売上というものをひとかたまりで見るのをやめることです。
売上 = 客単価 × 客数 × 来店頻度
この3つに分解して、今自分のお店はどこが弱いのかを冷静に見ることが、年商1億円への最初の一歩なんですよ。たとえば今の月商が500万円のお店なら、833万円との差額は333万円。客単価を5%上げるのか、来店頻度を高めるのか、新規客を増やすのか。どこに手をつけると最も効率よく差を埋められるか、数字で考えることができるということですね。
チェックポイント1:売上の3要素を今すぐ確認する
先月の客単価・客数・来店頻度(リピート率)を、それぞれ数字で把握できていますか。「なんとなく」で経営しているうちは、どこに問題があるかが見えないんですよ。
✅ ポイント:まずPOSレジや日報から先月の数字を取り出し、3要素に分解してみてください。数字を見ることから全ての改善は始まります。
チェックポイント2:「翌月5日ルール」を実践しているか
前月の売上・客数・客単価が「翌月5日」までに把握できていますか。これが遅れると軌道修正のタイミングを逃してしまいます。
✅ ポイント:毎月5日を「数字確認の日」と決めて、カレンダーにブロックしてしまいましょう。今月やることは先月の数字から決まる、という流れを習慣にすること。
着手する順番を間違えると、頑張るほど損をする
ここが一番大事なところで、多くの飲食店オーナーさんが逆のことをやってしまっているんですよ。
よくあるパターンはこれです。
❌ よくある間違った順番
- まず新規集客に広告費をかける
- チラシを配る・ポータルサイトに掲載する
- 来てもらったのに、単価が低くてリピートもしてもらえない
- 広告費の回収ができず「集客に意味がない」と感じる
✅ 正しい順番
- まず「店内販促」で客単価を上げる(今来てくれているお客さんに多く使ってもらう)
- 次に「再来店対策」で来店頻度を高める(1回来たお客さんにまた来てもらう)
- 最後に「新規集客」で客数を増やす
なぜこの順番かというと、客単価と来店頻度が改善されていないまま新規客を集めても、そのお客さんが「1回だけ来て終わり」になってしまうからです。1人のお客さんが生涯を通じてお店に使ってくれる金額、つまり1人あたりの累計利益を最大化するには、まず「来てくれた人に長くいてもらい、何度も来てもらう」仕組みを先に作ることが大前提なんですよ。
「新規客には時間をかけない、既存客には時間をかける。この順番を守るだけで、同じ労力で3倍の成果が出るお店をたくさん見てきました。」
ハワードジョイマン(有限会社繁盛店研究所 代表取締役/中小企業診断士)
✓ ここまでのポイント
- 年商1億円は「客単価×客数×来店頻度」に分解すると、現実的な数字として見えてくる
- 着手する順番は「客単価アップ→来店頻度アップ→新規集客」が最も効率的
- 前月の数字を翌月5日に把握する習慣が、軌道修正のスピードを上げる
客単価を上げる「店内販促」の具体策
客単価アップというと「値上げする」ことを真っ先に思い浮かべる方が多いんですが、そうじゃなくてもいい方法がたくさんあるんですよ。
一番即効性があるのは、POPとメニューブックの改善です。お客さんが席についてから注文するまでの時間、何を見ているかといえばメニューブックですよね。そこに「ちょっと気になる一品」が目に入るだけで、追加注文が発生する確率がぐっと上がります。
実際、ぼくの会員さんの中華料理店では、POPとメニューブックを改善しただけで客単価が5%アップし、売上が過去最高を更新しました。たった5%でも、月商500万円のお店なら25万円の差になる。年間で300万円です。
もう一つ大事なのが「収益商品」の設計です。集客商品(入口になる手頃な価格のメニュー)と収益商品(利益率が高く、来てくれたお客さんに追加で選んでもらうメニュー)を分けて考えることですね。全メニューを均一に宣伝するのではなく、「このお店ならではの一品」として収益商品をPOPやスタッフの口頭でお薦めする導線を作る。これだけでも客単価は確実に変わります。
値上げについては、一律で全メニューの値段を上げるのはNGです。集客商品(入口価格)は据え置きのまま、収益商品・高単価メニューだけを引き上げる。お客さんの「割高になった」という感覚を起こさずに、お店全体の平均客単価を上げる。これが賢い方法なんですよ。
再来店率を高める「仕組み」の作り方
客単価が上がったら、次は来てくれたお客さんにまた来てもらう仕組みを作ります。
ここで有効なのが、LINE公式アカウントとハガキの両輪です。LINEは今すぐ来られる人へのアプローチ、ハガキは「そういえばあのお店、久しぶりに行きたいな」という気持ちを引き出す温かみのあるアプローチ。この2つを組み合わせると、再来店率が目に見えて変わります。
実際にぼくの会員さんで、ハガキによる再来店対策だけで月4回ペースで来てくれるお客さんが続出し、平均来店間隔が2ヶ月に1回から大幅に短縮した飲食店があります。ハガキ1枚のコストは数十円。それで月4回来てくれるお客さんが増えたら、投資対効果は計り知れないですよね。
さらに重要なのが顧客リストの管理です。「お名前と連絡先はわかるけど、何回来てくれているか把握していない」という状態のお店がほとんどなんですよ。エクセルで構わないので、来店回数・最終来店日・使ってくれた金額を記録しておく。これをするだけで、1ヶ月以上来ていないお客さんにアプローチする「失客防止」の仕組みが作れます。
「POPとメニューブックを見直してから3ヶ月で、客単価が上がり売上が過去最高になりました。難しいことは何もしていないのに、こんなに変わるんだと驚きました。」
中華料理店オーナー(50代・男性)
最後に「新規集客」を仕組み化する
客単価と再来店率が改善された状態で、ようやく新規集客に本腰を入れます。ここで大事なのは、新規集客は「仕組みに働いてもらう」ことです。社長が毎回手を動かさなくても集客できる状態を作ることが目標ですね。
新規集客 STEP 1
入り口を複数整備する
食べログ・Googleマップ・ホットペッパービューティー・Instagramなど、お客さんが「お店を探す場所」を複数整備します。プロフィール・写真・口コミへの返信を丁寧に整えるだけで、新規客の入り口として機能し始めます。
⚠️ よくある失敗:「掲載しているだけ」で更新・改善をしていないケース。他店と横並びになった時に「探していたのはここだ」と思ってもらえる言葉選びが必要です。
新規集客 STEP 2
ターゲットを「悩み」で絞り込む
「40代女性」「地域の方」という大雑把な設定では、誰にも刺さりません。「子どもの誕生日を家族でお祝いしたい親御さん」「接待で使えて個室がある居酒屋を探している会社員」など、具体的な悩みや要望で絞り込むほど、その人に響く言葉で訴求できるようになります。
⚠️ よくある失敗:「どなたでも歓迎」と書いてしまうこと。ターゲットを広げるほど、誰にも刺さらなくなります。
新規集客 STEP 3
広告費を売上の10%目安で投じ、1件あたりの獲得コストで管理する
「広告費をかけるのが怖い」という声をよく聞きますが、費用対効果が見えていないから怖いだけなんですよ。「1人の新規客を獲得するのにいくらかかったか」を毎月計測する習慣を持てば、広告は怖くなくなります。
⚠️ よくある失敗:費用対効果を計測せずに「なんとなく効果がなさそう」でやめてしまうこと。
まとめ:1店舗で年商1億円に届く「順番」を守る
今日お伝えしたことをシンプルに整理すると、こういうことですね。
まず年商1億円を客単価・客数・来店頻度に分解して、自分のお店のどこが弱いかを数字で把握する。次に着手する順番を守る。客単価アップ(店内販促・メニューブック改善)→来店頻度アップ(LINE・ハガキによる再来店対策)→新規集客(入り口整備・ターゲット設定・広告)。この順番を守れば、同じ労力でも結果が全然変わってきます。
そして利益を残すためには、売上を追いかけるのではなく「欲しい利益から逆算して計画を作る」こと。毎月5日に前月の数字を確認して、翌月の施策を軌道修正するサイクルを回し続けること。これだけです。
ぼくの会員さんの中には、1店舗経営から2店舗・4店舗展開を実現した方や、客数を前年比40%増やして売上・利益ともに過去最高を更新した飲食店オーナーも数多くいます。特別なことをしたわけじゃなくて、「正しい順番で、地道に仕組みを作った」だけなんですよ。
年商1億円は「特別なお店」だけの話じゃない。今の1店舗をちゃんと仕組み化することで、十分届く数字です。ぜひ今日から「分解思考」で自分のお店を見直してみてください。
もっと具体的に「自分のお店の場合はどこから手をつければいいか」を知りたい方は、ぜひ下記からご覧ください。全国の飲食店・美容室オーナーさんが実践している販促改善の具体的な中身をまとめています。お気軽にのぞいてみてくださいね。
また、月額制の会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブゴールド」では、初月お試し体験プログラムもご用意しています。北海道から沖縄・石垣島・宮古島、さらにアメリカ・カナダ・オーストラリアの海外在住の方まで、全国の飲食店・美容室オーナーさんが参加されています。一緒に仕組みを作っていきましょう。