先日、居酒屋を経営されているKさん(40代・男性)からこんな相談をいただきました。
「ジョイマンさん、うちの店、月商250万円あたりでずっと頭打ちなんです。お客さんも来てくれてるし、料理の評判も悪くない。でも300万円の壁がどうしても超えられなくて……」
この話、実はものすごく多いんですよね。月商200万〜250万円台でぴたっと止まってしまう飲食店のオーナーさん。「もう少しで300万円なのに」という焦りを抱えながら、なんとなく販促を打ったり、クーポンを配ってみたり。でも思うように動かない。
Kさんとじっくり話を聞いていくと、「打つべき手の順番」が完全にずれていることがわかりました。そして順番を整えただけで、4ヶ月後に月商310万円を達成されたんです。
今回は、このKさんとのやり取りをもとに、月商300万円の壁を超えるための3つの打ち手をお伝えしていきます。
📋 この記事でわかること
- 月商300万円の壁が生まれる「本当の原因」
- 着手すべき順番が9割を決める理由
- 客単価・来店頻度・新規集客それぞれの具体的な打ち手
- 利益が残る経営体質をつくる発想の転換点
こんな方におすすめ
- ✅ 飲食店を経営していて月商200〜250万円台で伸び悩んでいる方
- ✅ 広告費をかけているのに売上が変わらないと感じている方
- ✅ 客数は増やしたいけど、割引やクーポンに頼りたくない方
- ✅ 売上より「手元に残る利益」を増やしたいと思っている方
- ✅ 月商300万円を超えて次のステージに進みたい方

なぜ月商300万円の壁が生まれるのか
Kさんの話に戻りましょう。
「ジョイマンさん、正直、何が問題なのかよくわからないんです。毎日満席に近い日もあるし、料理のクオリティも落ちていない。でも数字が動かない」
この言葉を聞いて、僕はすぐにピンときました。「売上をひとかたまりで見ているんだな」と。
売上って、実は3つの要素に分解できるんですよ。客単価 × 客数 × 来店頻度、この3つです。月商300万円が遠く感じるのは、この3つのどこに問題があるかを把握していないまま、場当たり的な対策を打っているからがほとんどなんですよね。
Kさんのケースで実際に数字を整理してみたら、こういう状態でした。
- 客単価:2,200円(改善の余地あり)
- 月間来客数:380組(まずまず)
- 1人あたりの平均来店頻度:2ヶ月に1回(要改善)
つまり、「来てくれるお客さんは一定数いるのに、客単価が低いし、リピートの頻度も少ない」という状態。これで月商250万円前後になるんですよ。
なのに、Kさんがやっていた対策は「新規集客のためのチラシ配布」と「食べログのポイント広告」でした。ここが完全にズレていたわけです。
打ち手の順番が9割を決める
月商300万円を超えるための打ち手、正直シンプルです。でも「順番」を間違えると効果が半減どころかゼロになることもある。
正しい順番はこうです。
打ち手の順番 STEP 1
まず、客単価を上げる(店内販促の整備)
新規のお客さんを呼ぶ前に、今来てくれているお客さんに、もう1品・もう1杯オーダーしてもらう仕組みをつくる。POPやメニューブックの見直しがここに当たります。お金がかからない上に、即効性が高い。Kさんの場合、メニューブックに「本日のおすすめ追加肴」のページを1枚追加するだけで、客単価が2,200円から2,450円に上がりました。
⚠️ よくある失敗:いきなり全メニューの価格を上げようとして、何も変わらない状態に陥るパターン。値上げよりも「1品追加してもらう導線をつくる」方が圧倒的に再現性が高いです。
打ち手の順番 STEP 2
来店頻度を上げる(再来店対策の仕組み化)
客単価が整ったら、次は「また来てもらう仕組み」をつくります。来店頻度が2ヶ月に1回から1ヶ月に1回になるだけで、売上は単純計算で2倍近くなる。LINE公式アカウントやハガキによるフォローが代表的な打ち手です。
⚠️ よくある失敗:LINEのアカウントを作ったものの、週1で「今日のおすすめ」を送るだけで終わってしまうパターン。配信内容よりも「誰に・どのタイミングで・何を送るか」の設計が大事です。
打ち手の順番 STEP 3
最後に新規集客に投資する
ここまでが整って初めて、新規集客にお金をかける意味が生まれます。新規のお客さんが来ても、リピートする仕組みがなければ「ざるに水を注ぐ」状態。客単価が低いまま新規を呼んでも、利益に変わりません。
⚠️ よくある失敗:この3番目の「新規集客」から着手してしまうこと。ほとんどの経営者がここからスタートしてしまうんですよ。
✓ ここまでのポイント
- 売上は「客単価×客数×来店頻度」に分解して、どこが弱いかを見極めることが先決
- 打ち手の順番は「客単価アップ→来店頻度アップ→新規集客」の順が最も効率的
- 新規集客への投資は、店内の仕組みが整ってから行う
Kさんの経営が変わった「転機」の話
Kさんにこの順番を伝えた後、こんなことをおっしゃっていました。
「ジョイマンさん、正直最初は『そんな当たり前のこと?』と思ったんですよ。でも実際やってみたら、自分がいかに順番を無視して動いていたかがよくわかりました」
Kさんが実際に取り組んだことは3つだけです。
- メニューブックに「本日の追加おすすめ肴」ページを追加(客単価UP)
- 来店時にLINE登録をお願いして、来店から2週間後に「また来てね」メッセージを配信(来店頻度UP)
- 上記2つで売上が安定してから、食べログのプレミアム掲載に切り替え(新規集客)
たったこれだけ。でも4ヶ月で月商310万円を達成しました。
「月商300万円を超えたい、と思っていた時期、実は毎月の数字すらちゃんと把握していませんでした。ジョイマンさんに言われて先月の数字を翌月5日までに確認するようにしたら、どこが弱いかが見えてきて、手を打つのが早くなった気がします」
Kさん(40代・男性・居酒屋経営)
そうなんですよ、ここも大事なポイントで。「翌月5日ルール」って僕がよく言うことなんですが、前月の売上・客数・客単価を翌月の5日までに把握するクセをつける。これをやるだけで、軌道修正のスピードが全然変わってくるんです。
「『今の行動の結果が今の売上』という言葉が刺さりました。売上が伸びないのは誰かのせいじゃなくて、今の自分の打ち手がそのまま数字に出ているんだと気づいてから、動き方が変わりました」
〔ハワードジョイマン(有限会社繁盛店研究所 代表取締役/中小企業診断士)〕
「売上」より「利益」を軸にした月商300万円の設計
ここで一つ大事なことをお伝えしたいんですが、月商300万円はゴールじゃないんですよ。
月商300万円を達成しても、原価率や人件費がグチャグチャなままだと、手元に残る利益は月10万〜20万円ということも普通にある。「売上は立っているのに、なぜかお金が残らない」という状態です。
だから大事なのは「売上より利益を重視する」という発想に切り替えること。
飲食店の場合、原価率・人件費・家賃の目安として「3・3・3・1」という考え方があります。原価30%・人件費30%・地代家賃10%・営業利益10%。この構造が崩れていると、月商300万円を超えても手元に残るお金は増えません。
❌ よくあるパターン(売上重視の経営)
- 集客のためにクーポンや割引を多用して客単価を下げてしまう
- 売上は増えているのに利益率が低下し、忙しいのに手元にお金が残らない
- 原価率・人件費率を把握しておらず、コストコントロールができていない
✅ 推奨アプローチ(利益重視の経営)
- 集客商品(入口価格)は据え置きで、店内で収益商品に誘導する導線をつくる
- 割引・クーポンは高単価メニュー(1万円以上)のみに限定する
- 毎月の原価率・人件費率をチェックし、3・3・3・1の構造に近づける
月商300万円を「利益が残る形で」超えるためには、売上の数字を追いかけるよりも「欲しい利益から逆算して計画を立てる」発想が必要です。
「今月いくら欲しいか」ではなく、「今年の年末に手元にいくら残したいか」から逆算して、毎月の販促計画を立てる。これが「収益ボックス」という考え方で、売上目標を立てるよりはるかに現実的な計画になるんですよ。
「客数を前年比40%増やし、売上・利益ともに過去最高を更新することができました。POPとメニューブックを変えただけで動きが変わるとは思っていませんでしたが、実際にやってみると本当に変わりました」
飲食店経営者
まとめ:月商300万円の壁を超える本当の打ち手
今回の内容を整理しておきます。
月商300万円の壁が生まれるのは、打つべき手の「順番」が間違っているケースがほとんどです。新規集客からスタートするのではなく、今来てくれているお客さんの客単価を上げて、来店頻度を高めてから、新規集客に投資する。この順番を守るだけで、コストをかけずに売上が動き始めます。
そして月商300万円を超えた先も、利益が残る経営体質にするためには「売上より利益」の発想に切り替えること。欲しい利益から逆算して計画を立てて、翌月5日ルールで毎月の数字を把握する。このサイクルが回り始めると、経営の見え方がガラッと変わってきますよ。
Kさんのようなケースは、全国1,000店舗以上を支援してきた中で何度も見てきました。料理の腕もある、お客さんも来ている、でも数字が動かない。その多くは「打ち手の順番」と「利益の見方」の2つを整えるだけで突破口が開きます。
もしいま「自分の店はどこから手をつければいいんだろう」と感じている方は、まず顧客の購買行動を軸に現状を整理してみてください。どこにボトルネックがあるか、見えてくるはずです。
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何かご質問があれば、いつでもお声がけください。一緒に前に進んでいきましょう。