オペレーション改善

【飲食店 複数業態 運営】一つのキッチンで複数業態を動かす方法

実は、事業再構築補助金の採択事例のうち、飲食店関連の申請で最も多いパターンの一つが「既存厨房を活かした複数業態への転換・展開」なんですよ。

「複数業態なんて大手チェーンがやること」と思っていませんか?ところが今、個人経営の小さなお店でも、一つのキッチンを使って2つ・3つの業態を走らせ、収益の柱を増やしている事例がどんどん出てきています。

しかも、正しい補助金・助成金を使えば、初期投資を大幅に抑えながらスタートできるんです。今日は「一つのキッチンで複数業態を動かす方法」について、補助金の活用も含めて具体的にお伝えしていきますね。

📋 この記事でわかること

  1. なぜ今「一厨房・複数業態」が個人店に有効なのか、その背景と考え方
  2. 事業再構築補助金・小規模事業者持続化補助金など、複数業態展開に使える補助金の概要と申請のコツ
  3. 既存の食材・設備・スタッフを「分解」して新業態に組み替える具体的な手順
  4. 採択されやすい事業計画書の書き方のポイントと、よくある失敗パターン

こんな方におすすめ

  • ✅ 今の1業態だけでは売上の天井を感じている飲食店オーナーの方
  • ✅ 人口減少・商圏縮小に備えて収益の柱を増やしたい方
  • ✅ 事業再構築補助金やものづくり補助金の活用を検討しているが、何から手をつければいいかわからない方
  • ✅ 設備投資のコストを抑えながら新業態に挑戦したい方
  • ✅ テイクアウト・デリバリー・通販など販売チャネルを広げたい方
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「業態」という枠から外に出た瞬間、選択肢が一気に広がる

「自分はラーメン屋だから、ラーメン以外は関係ない」——こういう考え方、実はものすごくもったいないんです。

ラーメン屋のキッチンには何があるか考えてみてください。スープを炊くための大きな寸胴、チャーシューを仕込む設備、麺を茹でる釜、野菜を炒める中華レンジ。これ、実は「料理を作る汎用設備」なんですよ。

ここで「業態発想」から抜けて「お客さんの悩み解決業・要望実現業」として考えると、見えてくるものが変わります。たとえば——

  • 夜のラーメン業態 ✕ 昼の定食業態(二毛作経営)
  • ラーメン店 ✕ 同スープを使った通販(冷凍ラーメンの物販)
  • ラーメン店 ✕ 仕込みのチャーシューをスライスして居酒屋メニュー化
  • 既存キッチン ✕ ゴーストレストラン(デリバリー専用業態)

同じキッチン、同じ食材、同じスタッフで、全く違う「窓口」からお客さんにアプローチできるんですよ。これが一厨房・複数業態の基本的な考え方です。

「業態という枠に縛られると、持っているものが見えなくなる。お客さんが何に困っているか、何を欲しがっているかを起点に考えると、キッチンの価値が3倍にも5倍にもなるんですよ。」

ハワードジョイマン(有限会社繁盛店研究所 代表取締役/中小企業診断士)

静岡市清水区という港町で育ち、海鮮・もつカレー・静岡おでんといった多彩な食文化に囲まれてきた私が実感してきたのは、「素材の組み合わせ方を変えるだけで、まったく違う価値が生まれる」ということ。これは地方都市でも都心でも変わらない原則です。

複数業態展開に使える補助金:まず「これ」を押さえてください

新業態を始めるとなると、設備投資・改装費・広告費などコストが発生します。でも、正しい補助金を活用すれば、その負担をぐっと減らせます。飲食店の複数業態展開に特に関連性が高いのは以下の3つです。

チェックポイント①:事業再構築補助金

コロナ禍以降、「新市場参入・業態転換・事業転換」を支援するために設けられた補助金です。飲食店が新たな業態(テイクアウト専門店・デリバリー専用業態・物販EC)へ転換・追加する場合に活用実績が多くあります。補助額は中小企業で最大1,500万円、補助率は1/2〜2/3程度です。ただし、売上が一定程度減少していること、認定経営革新等支援機関(中小企業診断士など)と事業計画を策定することが要件になります。

✅ ポイント:「新しい業態を加えること」が趣旨なので、既存業態の延長ではなく「明確な業態の切り替え・追加」として計画書を書くことが採択の鍵になります。

チェックポイント②:小規模事業者持続化補助金

従業員5名以下の小規模飲食店に特におすすめです。販路開拓・集客のための費用(チラシ・看板・ウェブサイト・テイクアウト容器など)が対象で、補助上限は通常枠で50万円、特別枠では200万円まで拡充されることがあります。補助率は2/3です。申請の手間が比較的少なく、個人事業主・法人どちらでも使えるため、複数業態の「集客の入口」を整えるのに最適です。

✅ ポイント:経営計画書の「強み・機会」の整理と、補助事業計画の具体性がそのまま採択率に直結します。「なぜこの取り組みが必要か」を数字で語れるかどうかが勝負です。

チェックポイント③:IT導入補助金

複数業態を動かす場合、POSレジ・予約管理システム・デリバリー受注システムの整備が必要になります。これらITツールの導入費用に対して補助率1/2〜3/4が適用されます。注文管理の効率化は、少人数スタッフで複数業態を回すうえで必須の投資です。

✅ ポイント:ITツールはあくまで「仕組みに働いてもらう」ための手段です。「入れて終わり」にならないよう、導入後の運用まで計画に盛り込んでおくことが大切です。

✓ ここまでのポイント

  • 一厨房・複数業態は「業態発想」を捨て、「お客さんの悩み解決業」として考えることでアイデアが広がる
  • 事業再構築補助金・持続化補助金・IT導入補助金の3つが、飲食店の複数業態展開に特に使いやすい制度
  • 補助金は「成長戦略の一部として使う」のが大前提。補助金ありきで事業を設計するのは逆順

採択される事業計画書の書き方:ここで差がつきます

補助金の採択率を上げるうえで最も重要なのが「事業計画書の質」です。残念ながら、多くの飲食店経営者が「設備を買いたいから補助金をもらいたい」という書き方をしてしまい、落とされています。

採択される計画書には共通の型があります。

採択計画書の書き方 STEP 1

「なぜ今、この業態転換が必要か」を数字で語る

商圏内の人口動態・競合状況・自店の売上トレンドを示し、「このまま現状維持では売上が下がり続ける理由」を客観的に説明します。感情論ではなく、数字と事実で語ることが審査員の心を動かします。移動平均分析で過去の業績トレンドを見える化し、「今がターニングポイントである」ことを示しましょう。

⚠️ よくある失敗:「コロナで大変でした」「人口が減っています」と書くだけで終わってしまい、自店の具体的な数字が一切ない計画書。審査員は数十〜数百件の申請を読むので、抽象的な課題記述は印象に残りません。

採択計画書の書き方 STEP 2

「既存の強みを活かした新業態」であることを明確にする

ゼロから新しいことを始めるのではなく、今持っている設備・食材・スタッフ・顧客リストを「分解して再組み合わせする」発想を示します。洋食屋がソースの製造・通販を始める、ラーメン屋が冷凍ラーメンのEC販売を追加する——こういう「既存リソースの横展開」のほうが審査員にも説得力があります。

⚠️ よくある失敗:今の業態と全く関係のない新事業を突然計画書に書いてしまうパターン。「なぜ飲食店がこれをやるのか」という必然性が見えないと採択率が下がります。

採択計画書の書き方 STEP 3

「欲しい利益」から逆算した数値計画を添える

補助金を使って何をいくら買い、それによって月次・年次でいくらの売上・利益が出るかを示します。「売上が上がります」ではなく、「客単価〇〇円×月間来店数〇〇人×来店頻度〇〇回=月次売上〇〇万円、原価率〇〇%で営業利益〇〇万円」という形で、売上を分解して示すことがポイントです。

⚠️ よくある失敗:根拠のない「売上2倍」「利益3倍」を並べた計画書。数字の根拠が曖昧だと審査で必ず引っかかります。

「補助金は手段であって目的じゃないんですよ。『補助金が取れたら新業態をやる』じゃなくて、『新業態をやるために補助金を活用する』この順番が大切。計画が先、補助金が後、という感じですね。」

ハワードジョイマン(有限会社繁盛店研究所 代表取締役/中小企業診断士)

実際に複数業態を動かしている会員さんの事例

全国1,000店舗以上の支援をしてきた中で、一厨房・複数業態を実現した事例をいくつかご紹介します。

ある飲食店の会員さんは、既存のキッチンを活かしてテイクアウトと物販を追加した結果、客数を前年比で大きく伸ばし、売上・利益ともに過去最高を更新されました。「新しいキッチンを作ったわけじゃなく、今あるものの使い道を増やしただけ」というのが本人の感想です。

「1,800円で全く売れていた自家製ドレッシングを5,000円に値上げしたところ、逆に売れ始めて全国の雑誌・新聞にも取り上げられました。キッチンで作っているものの価値を見直しただけで、こんなに変わるとは思っていませんでした。」

飲食店オーナー(物販・通販業態を追加)

また、別の会員さんは持続化補助金を活用してテイクアウト窓口を整備し、昼の業態を追加。夜の居酒屋一本だったお店が、昼間の定食需要を取り込み、月次の利益が安定したとおっしゃっていました。

「複数業態」と聞くと難しそうですが、本質はシンプルです。今のキッチンで作れるものを、違う時間帯・違う販売チャネル・違う客層に届ける——これだけです。

まとめ:一つのキッチンが「複数の収益エンジン」になる

今日の内容を整理しますね。

一厨房・複数業態の基本は「業態発想を捨てて、お客さんの悩み解決業として考える」こと。そして、それを実現するための初期投資を減らすために、事業再構築補助金・小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金という3つの選択肢があります。

採択されるための計画書は、「なぜ今か(数字で)」「なぜうちがやるか(強みの活用)」「いくら利益が出るか(分解した数値計画)」の3点をしっかり書けるかどうかで決まります。

補助金の制度は毎年変わるので、「今使えるか確認する」ことが一番重要です。「いつかやろう」と思っているうちに公募が終わってしまうケースは本当に多いんですよ。

中小企業診断士として20年・1,000店舗以上の支援実績の中で言えるのは、補助金を上手く活用して複数業態を立ち上げたお店は、その後の業績が安定しやすいということ。一つの業態に売上が集中するリスクを分散できるからです。

「自分のお店でも使える補助金はあるのか」「どんな業態の追加が現実的か」——まずそこから一緒に考えていきましょう。ぜひ以下からお気軽にご相談ください。

お店の現状に合わせた販促・業態展開の改善ポイントを体系的に学べる教材もご用意しています。

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また、全国の飲食店・美容室オーナーが集まる会員制コンサルティングサポートでは、補助金活用から複数業態展開・利益最大化まで、月次でサポートしています。初月のお試し体験もありますので、まずは覗いてみてください。皆さんのことをお待ちしています。

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