結論から言うと、人手不足の根本的な原因は「求人の方向を間違えていること」にあります。時給を上げても、求人誌に大きな広告を出しても解決しない──そんな状態が続いているとしたら、狙っている人材の層と、使っているツールと、提示している条件のどこかがズレている可能性が高いんですよ。
僕は静岡県清水区を拠点に、19年・全国1,000店舗以上の飲食店・美容室・治療院の経営者をサポートしてきました。その中で「採用できない」と悩んでいた経営者が、ある一点を変えただけで応募が殺到した──そんな事例を何度も見てきています。
この記事では、人手不足に悩む経営者の方が「自分のお店はどこが問題なのか」を自分でチェック・診断できる形でまとめました。ぜひ当てはまる項目がないか、確認しながら読んでみてください。
📋 この記事でわかること
- 人手不足が解決しない本当の原因(採用ターゲットのズレ)
- 求人広告・募集条件の「今すぐ見直すべきポイント」診断
- 採用できた後に定着させるための仕組みの作り方
- 全国の会員さんが実践して成果を出した、具体的な採用改善事例
こんな方におすすめ
- ✅ 求人広告を出しても応募がほとんど来ない方
- ✅ せっかく採用しても3ヶ月以内に辞めてしまう方
- ✅ 時給を上げれば解決すると思っているが不安な方
- ✅ スタッフの人数が足りず、自分が現場から抜けられない方
- ✅ 採用コストをどう考えればいいかわからない方

そもそも「採れない層」を狙っていませんか?
ほとんどの小規模店舗の経営者が、真っ先に「若い人を採りたい」「新卒が欲しい」と言います。気持ちはよくわかります。でも正直に言うと、この発想が採用難の最大の原因だったりするんですよ。
大手チェーンも、中規模の会社も、みんなが同じ「若手・新卒」を狙っている。個人店が同じ土俵で戦ったら、まず時給で負けます。福利厚生でも負ける。ブランドイメージでも負ける。これはもう構造的な問題です。
じゃあ、どうすればいいか。答えはシンプルで、「余っている層を狙う」ということです。
具体的に言うと、こういった方たちです。
- 育児が落ち着いてきた主婦・主夫の方
- 定年退職後に社会とつながりたい方
- 本業が別にあって週2〜3日だけ働きたい方
- 体力的な理由でフルタイムは難しいが、短時間なら働ける方
この層は、大手チェーンですら積極的に狙いにいかないことが多い。つまり競合が少ない。「うちに来てください」と丁寧に伝えれば、喜んで応募してくれる方が実際にたくさんいるんですよ。
「採用で大切なのは、誰を集めるかではなく、誰を集めないかです。ターゲットを絞れば絞るほど、刺さる言葉が書けるようになる。」
ハワードジョイマン(有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
あなたの求人広告、5つの視点で診断してみてください
では実際に、今出している(あるいは出そうとしている)求人広告を診断してみましょう。以下の5項目を確認してください。
チェックポイント①:ターゲットがぼんやりしていませんか?
「男女問わず」「経験不問」「誰でも歓迎」──こういった言葉が書かれている求人は、読んでいる人に「自分のことを言っているのかな?」と思わせることができません。求人は「あなたに来てほしい」という手紙です。全員に書いた手紙は、誰にも届かないんですよ。
✅ ポイント:「結婚・出産を経てもう一度働きたい方へ」「週3日・10〜15時で働きたい方、大歓迎」のように、特定の人に向けた呼びかけに変えてみてください。
チェックポイント②:働くイメージが伝わっていますか?
テキストだけで仕事の内容を書いても、初めての方には伝わりにくいんです。「スタッフが楽しそうに働いている写真」「先輩スタッフが笑顔でランチを食べている写真」があるだけで、応募のハードルがぐっと下がります。
✅ ポイント:求人広告の枠は大きめに取って、写真を必ず入れてください。笑顔の写真1枚が、長い説明文100行分より伝わることがあります。
チェックポイント③:条件が「応募者に合っていない」ことはありませんか?
主婦層を狙いたいなら「10〜15時・残業なし・土日祝休み」という条件がどれだけ魅力的か、分かりますか?これ、育児中や扶養内で働きたい方にとっては「理想そのもの」の条件なんですよ。でも多くのお店は、慣れ親しんだシフト体制を変えることを面倒くさがって、わざわざ採りにくい条件のまま出し続けているんです。
✅ ポイント:「仕事をスタッフに合わせる」発想が鍵です。長時間1人に働かせるより、短時間2人に来てもらう方が、サービスも上がるし定着率も高まります。
チェックポイント④:時給だけで勝負していませんか?
時給を100円上げるのにかかるコストと、採用できないことで失っている機会損失、どちらが大きいか考えたことはありますか?時給競争は終わりがなく、大手には絶対に勝てません。
✅ ポイント:「まかない食べ放題」「地元の有名シェフに直接教わるチャンスあり」「家族みんなで食事できる優待あり」など、お金に換算しにくい魅力を前面に出してください。これが刺さる人には、時給よりずっと強い動機になります。
チェックポイント⑤:「シフト相談OK」という言葉を使っていませんか?
これ、一見優しそうに見えますが、「都合が第一の人」を集めてしまう言葉なんです。都合優先で来た人は、都合が変わればすぐに辞めます。
✅ ポイント:「新しいことにチャレンジしたい方」「テキパキ動くのが好きな方」「お客さんの笑顔をやりがいにしたい方」──こういった価値観の言葉に変えると、長く働いてくれる人が集まりやすくなります。
✓ ここまでのポイント
- 人手不足の根本原因は「採れない層(若手・新卒)を狙い続けていること」
- 余っている層(主婦・定年退職者・副業希望者)に狙いを変えると競合が激減する
- 求人広告は「全員への案内」ではなく「特定の人への手紙」として書く
採用できた後が本番──定着させる仕組みはありますか?
せっかく採用できても、3ヶ月・半年で辞めてしまうケースも多い。これは採用の問題ではなく、定着させる仕組みがない問題です。
では、なぜ辞めるのか。理由はほぼ共通しています。
- 自分がここで働く意味・価値を感じられなくなる
- 特定のスタッフや料理長にだけ負荷が集中している
- 経営者の考えが共有されておらず、何のために働いているかわからない
解決策もシンプルです。会社として大切にしている考え・行動の原則を言葉にして、繰り返しスタッフに伝えること。これが「経営理念」なんですが、難しく考えなくていい。「うちのお店はこういう人のために、こういうことを大切にしながら商売しています」という一言から始めればいいんですよ。
それと、スタッフの趣味や得意なことに仕事を合わせる発想も大事です。例えば、SNSが得意なスタッフがいたらお店のInstagramを任せる。丁寧な字が書けるスタッフがいたらPOPを任せる。自分の得意を活かせる場があると、人はちゃんと居場所を感じて続けてくれるんですよね。
「求人広告の出し方を変えて『まかない食べ放題』などを前面に打ち出したところ、今まで来なかったタイプの優良スタッフが応募してくれるようになりました。あの一言を変えただけで、こんなに変わるんだと正直驚きました」
飲食店経営者(会員さんからの声)
時給を上げる前に、この順番でやってみてください
採用改善を進める順番を間違えると、お金だけかかって効果が出ないことがあります。僕がおすすめしているのは、この順番です。
採用改善 STEP 1
ターゲットを絞り直す
「誰に来てほしいか」を1人の具体的な人物像として描いてください。家族構成・働ける時間帯・どんなことに喜びを感じるか、まで考える。それが決まれば、書くべき言葉が自然と浮かんできます。
⚠️ よくある失敗:ターゲットを絞ることを「応募が減る」と恐れてしまう。でも実際は、ターゲットを絞った方が応募の質が上がって定着率も高くなります。
採用改善 STEP 2
勤務条件を「応募者目線」に組み直す
今のシフト・勤務時間・休日設定は、経営者側の都合で決まっていませんか?「10〜15時・土日祝休み・残業なし」に変えると採りやすい層が変わります。
⚠️ よくある失敗:「うちの業種は土日が稼ぎ時だから無理」と決めつけてしまう。でも土日休みのスタッフが平日に手厚く動いてくれることで、経営者自身が休める構造を作ることもできるんです。
採用改善 STEP 3
求人広告に写真と「あなたへの呼びかけ」を入れる
テキストを書き直すより前に、まず写真を1枚入れてください。笑顔でスタッフが働いている写真です。それだけで反応が変わる場合がほとんどです。
⚠️ よくある失敗:プロのカメラマンを呼ばないといけないと思って後回しにする。スマートフォンで十分です。明るい場所で笑顔の写真、これが全てです。
❌ よくある採用の失敗パターン
- 時給を上げることだけを考えて、大手との価格競争に突入してしまう
- 「誰でも来てほしい」という気持ちで書いた求人が、誰にも刺さらない
- 「シフト相談OK」が都合優先の人を集めて、すぐに辞めるループを生む
✅ 根本解決する採用アプローチ
- 「余っている層」にターゲットを絞り、競合の少ない採用市場で勝負する
- 価値観・働き方への共感で集めることで、長く続けてくれる仲間が増える
- 採用コストより「採れないことの機会損失」を正確に比較して判断できるようになる
「ハガキとLINEで既存のお客さんへの再来店対策を進めながら、同時に求人広告の内容も一緒に見直したんです。そうしたら売上も採用も同時に改善して、今では自分が現場を離れられる日が週に2日作れるようになりました」
飲食店経営者(40代・男性、増益繁盛クラブゴールド会員)
まとめ:人手不足を「仕組み」で解決する発想に切り替えよう
人手不足は、時給を上げれば解決する問題ではありません。「誰に来てもらうか」「どんな条件なら長く働いてもらえるか」「なぜここで働くことに意味があるか」──この3つを丁寧に設計することが、根本解決への道です。
今すぐできることとして、まず今出している求人広告の「ターゲット」と「呼びかけの言葉」を見直してみてください。そこを変えるだけで、応募の質と量が変わった経営者を僕は何人も見てきています。
採用は、集客と同じで「仕組み」なんですよ。感や運で乗り越えるものじゃなく、設計できるものです。ぜひこの記事を参考に、1つでも実践してみてください。
もっと具体的に「自分のお店の求人をどう変えればいいか」を知りたい方は、販促・採用・集客の考え方をまとめた教材もご用意しています。多くの会員さんが「これを読んで考え方が変わった」と言ってくださっている内容です。
👇 まずはこちらから読んでみてください。
顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書
また、全国の飲食店・美容室・治療院の経営者が集まる会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブゴールド」では、採用・定着・集客・利益アップのノウハウを毎月お届けしています。初月はお試し体験もできますので、気になった方はぜひ一度のぞいてみてください。
👇 詳しくはこちらから。
増益繁盛クラブ入会案内
一人で悩まずに、ぜひお気軽にご相談ください。お待ちしています。