10月に入って、文具店や書店の手帳コーナーが一気に賑やかになりましたね。毎年この時期になると、来年の手帳を眺めながら「よし、来年こそ計画通りにいくぞ」と気持ちが引き締まります。でも正直なところ、手帳を買っただけで満足してしまう——そういう経験、一度や二度はありませんか(笑)。
今日は、僕自身が毎日実践している「逆算型手帳術」を切り口にしながら、経営者として本当に大切にしてほしいテーマをお伝えしたいと思います。それは「スタッフが長く、気持ちよく働いてくれる会社をどうつくるか」という話です。
計画を立てるとき、売上目標やイベントの日程ばかりを書き込んでいませんか? じつはそこに「スタッフが主役になれる瞬間」を意図的に設計することが、働きがいのある会社づくりの第一歩なんですよ。
📋 この記事でわかること
- 逆算型手帳術が「仲間づくり」とどうつながるのか
- 経営者自身の1日の使い方が、スタッフの定着率に影響する理由
- スタッフの趣味・特技を活かす「仕事の合わせ方」の具体的なやり方
- 働きがいのある会社をつくるために今日から書き込むべき3つのこと
こんな方におすすめ
- ✅ スタッフに長く働いてほしいのに、定着しなくて困っている経営者の方
- ✅ 時給だけでつながる関係ではなく、同じ目標を持てる仲間がほしいと感じている方
- ✅ 自分が現場を離れるとお店が回らず、経営者としての時間が作れない方
- ✅ 来年の手帳に何を書けばいいか分からず、毎年同じ悩みを繰り返している方

朝7時:手帳を開く前に、「今日の目的地」を確認する
僕のある1日を、少しだけ見せましょう。
静岡市清水区の事務所に向かう前、自宅でコーヒーを飲みながら手帳を開きます。でも最初に書くのはスケジュールじゃないんですよ。まず確認するのは、「今月の欲しい利益から逆算したとき、今日できることは何か」というポイントです。
これが逆算型手帳術の核心で、「何となく忙しく動く1日」じゃなくて「目的地から逆算された1日」にするためのスタートなんです。
そして、もう一つ。手帳の下の方に小さく書き込んでいるのが、今月スタッフに渡したい「活躍の場」のメモです。
「Aさんは料理の写真が上手だから、今月のSNS投稿を任せてみよう」
「Bさんは接客のなかでお客さんと話すのが得意だから、常連さん向けの手書きニュースレターを一緒に考えてみよう」
こういうことを、経営者が意図的に手帳に書いておかないと、どうなるか。気がつけば「今日も回すだけ」で終わってしまうんですよ。
午前10時:「絶対にやらないルール」が、組織を整える
事務所に着いたら、まず会員さんからのメッセージに目を通します。ある日、郊外で美容サロンを経営する40代の女性オーナーから連絡が届きました。
「Googleマップ経由で月商が18%増えました。そして何より、属人的な作業をスタッフに委譲できたことで、自分が経営に使える時間が初めて生まれた気がします。高付加価値の方向で戦う自信がつきました」
郊外サロン(女性・40代)
この言葉、すごく大事なポイントが詰まっているんですよ。「属人的な作業を委譲できた」というところ。これ、実は手帳術と直結しているんです。
自分にしかできないと思い込んでいた仕事を書き出して、「これは分解すれば誰かに任せられる」と気づく——この作業を意図的にやらない限り、経営者は永遠に現場から抜け出せません。
僕が会員さんによく話すのが、「絶対にやらないルール」を1つ決めてくださいということです。たとえば、「社長は仕入れの電話対応をしない」「社長はレジの締め作業をしない」のように、1つでいいので「やめること」を先に手帳に書いてみてください。
やることを増やす前に、やめることを決める。このシンプルな発想が、スタッフに任せる土台をつくるんですよ。
そして、任された側のスタッフはどうなるか。「自分が頼りにされている」という実感が生まれます。時給目当てだけでは絶対に生まれない、その感覚がスタッフを長く引き止める一番の力になるんです。
✓ ここまでのポイント
- 手帳には売上目標だけでなく「スタッフが活躍できる場のメモ」も書き込む
- 「絶対にやらないルール」を1つ決めることで、スタッフへの委譲が自然に始まる
- 任された経験がスタッフの定着率を高める最も強い力になる
午後12時:「経営者自身が最大の広告」という意識で昼を過ごす
昼休みに、僕がよく読み返すメモがあります。自分の手帳の巻頭ページに書いてある一言です。
「経営者自身が最大の広告だ。ビジョンを語らない社長のもとに、共感で集まるスタッフは来ない」
ハワードジョイマン(有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
これは、お笑い芸人をやっていた頃の経験からきています。舞台に立つとき、「何を伝えたいか」が曖昧なままだと、お客さんには何も伝わらない。同じことが、経営者とスタッフの間でも起きているんですよ。
「うちの店は何を大切にしているのか」「なぜこの仕事をしているのか」——これを言語化して、繰り返しスタッフに伝えていない経営者が、本当に多い。
でも「ビジョンを語ろう」と思っても、何から始めればいいか分からないという方もいますよね。そういうときにも、手帳が使えるんです。
チェックポイント1:「会社として大切にしていること」は言葉になっていますか?
手帳の自由なページに、こんな問いを書いてみてください。「うちの店が絶対に守りたいことは何か」「うちの店らしい、お客さんへの接し方って何だろう」——答えが3行でも書けたら、それを毎朝ミーティングで1文ずつ読み上げるだけで、スタッフに少しずつ伝わっていきます。
✅ ポイント:明文化するのは「きれいな言葉」じゃなくていい。「お客さんの名前を覚えて、2回目には必ず呼ぶ」くらいの具体的な行動レベルで書くことで、スタッフが実践できる言葉になります。
チェックポイント2:スタッフの趣味・特技を把握していますか?
「このスタッフは写真が得意」「あの子は手書き文字がきれい」「この人は料理のウンチクを調べるのが好き」——これを把握したうえで、仕事に組み込んでいる経営者は意外と少ない。
✅ ポイント:スタッフが「この仕事、自分に合ってるな」と感じる瞬間が1つあれば、定着率は大きく変わります。占いが好きなスタッフがいれば、店の小さなコーナーに占いカードを置いてPOPを書いてもらう——そんな小さなことから始めてみてください。
午後2時:逆算型手帳術の「スタッフ育成ページ」を作る
午後の時間は、会員さんへのコンサルティングや資料作成に充てることが多いです。そのなかで最近、よく話している内容が「スタッフ育成ページ」を手帳に作ることです。
どういうことかというと、手帳の月間ページとは別に、スタッフ1人ひとりのための欄を作るんですよ。
❌ よくあるパターン(時給だけでつながる関係)
- スタッフに「今日もよろしく」しか言えていない
- 仕事の指示はするが、仕事の意味を伝えていない
- 成果を出したスタッフをその場で褒めるだけで、記録していない
✅ 推奨アプローチ(目標を共有する仲間として扱う)
- 月1回、スタッフ1人ひとりと「今月どうだったか」を5分だけ話す時間を手帳に確保する
- スタッフが達成した小さな成果を手帳に記録し、次の1on1で必ず触れる
- 「このスタッフに今月任せてみること」を1つ手帳に書いて、実行する
「仕組みに働いてもらう」という言葉を僕はよく使いますが、スタッフとの関係性を仕組みで設計するというのも同じ考え方なんですよ。場当たり的な声かけではなく、手帳に書かれた「意図的なコミュニケーション」が、関係性を育てていくんです。
「POPとメニューブック改善で客単価が5%アップし、売上過去最高を達成しました。でもそれ以上に嬉しかったのは、スタッフが自分でアイデアを出してくれるようになったことです」
中華料理店(男性・60代)
スタッフが自分でアイデアを出してくれるようになる——これが、働きがいのある会社の一番のサインです。その状態をつくるには、経営者が意図的に「スタッフが動く設計」を手帳に仕込んでおくことが必要なんですよ。
まとめ:来年の手帳に「仲間をつくる計画」を書き込もう
手帳術というと、どうしてもスケジュール管理や売上目標の話になりがちです。でも、本当に大切なのは「欲しい未来の状態」から逆算して、今日すべきことを決めるという発想です。
「1年後、スタッフが自分でアイデアを出してくれる状態になっていたい」——そこから逆算すると、今月スタッフに任せるべき1つのことが見えてきます。今週話しかけるべき1人の顔が見えてきます。今日手帳に書くべき1行が決まります。
時給だけでつながる関係から、同じ目標を追える仲間へ。その変化は、経営者が手帳に「仲間づくりの計画」を書き始めたその日からスタートします。
ぜひ今年の手帳が残り少なくなってきた今のタイミングで、来年の手帳の最初のページに「スタッフが活躍できる場を1つ作る」と書いてみてください。それが、働きがいのある会社への一番シンプルな第一歩です。
もし「何から手をつければいいかわからない」「うちのスタッフとの関係をどう変えればいいか具体的に教えてほしい」という方は、まずは販促・経営改善の考え方をまとめた資料からご覧いただけると、ヒントが見つかるはずです。ぜひ気軽に覗いてみてください。
また、全国の飲食店・美容室オーナーが集まる会員コミュニティ「増益繁盛クラブ」では、スタッフ育成から経営の仕組みづくりまで、一緒に考えていける仲間と出会えます。初月は少額でお試しいただけますので、まずはどんな場所か体感してみてください。お待ちしています。