実は、中小企業庁の調査(2023年)によると、飲食業でデジタルツールを「ほとんど活用できていない」と答えた小規模事業者は全体の6割以上にのぼります。一方で、「何か試してみた」と答えた経営者のうち、7割以上が「もっと早く使えばよかった」と回答しています。
AIとかDXとか、なんだか大企業の話に聞こえますよね。でも実際には、LINE公式アカウントやGoogleマップの口コミ返信をAIにまかせたり、ホームページの問い合わせフォームを整えるだけで、社長の時間がごっそり返ってくるケースがたくさんあるんですよ。
今回は「AIを使って業務を楽にしたい、でも何からやればいいかわからない」という方向けに、飲食店の実例を交えながら、順番と考え方をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 飲食店でAI・デジタルツールを使う前に整えるべき「土台」
- LINE・Googleマップ・ホームページなど、身近なツールの使い方と実例
- AIを活用した問い合わせ対応・再来店導線の自動化の進め方
- 「難しそう」を「やれそう」に変えるための順番と考え方
こんな方におすすめ
- ✅ AIやデジタルツールに興味はあるが、何から手をつければいいか迷っている飲食店経営者の方
- ✅ 新規集客や再来店対策に毎回時間と手間をかけすぎていると感じている方
- ✅ ホームページやSNSを作ったきり放置している方
- ✅ 社長が現場から少しでも抜けられる仕組みをつくりたい方
- ✅ 高額なシステムではなく、まずは費用を抑えて試してみたい方

「AIを使う前」に整えるべき土台がある
いきなり「AIチャットボットを導入しよう」とか「予約管理システムを入れよう」とか、高機能なツールに飛びつく経営者の方が多いんですよ。でも、これは順番が逆なんですね。
まず確認してほしいのは、お客さんが「今の自分の店を検索で見つけられるか」という話です。Googleマップのビジネスプロフィールは正確に更新されているか、食べログやぐるなびのプロフィール欄は他の店と同じ内容になっていないか。ここが整っていないと、AIを使っても集客の入り口が詰まったままになります。
次に、顧客リストです。エクセルで構いません。来店回数、最後に来た日、どんなメニューを好むか、これだけ把握できていれば「誰に・何を・いつ伝えるか」が設計できます。これが仕組み化の出発点になるんです。
❌ よくある間違いパターン
- 高額な予約管理システムを導入したが、使い方を覚える暇がなく放置
- SNSアカウントを作ったが投稿が月1回で止まっている
- ホームページはあるが、問い合わせフォームがなく電話だけで受付している
✅ まず整えるべきアプローチ
- Googleマップのビジネスプロフィールを最新の状態に保つ(写真・営業時間・メニュー情報)
- 食べログ・ホットペッパーのプロフィール欄に「うちでしか読めない言葉」を入れる
- 顧客リストをエクセルで管理し、来店回数・最終来店日を記録する
- LINE公式アカウントを開設し、まずは友だち登録を増やすことから始める
「何から手をつければいいかわからない」という状態が一番、時間とエネルギーを消耗するんですよ。顧客の行動を軸に販促を整理すると、AIやLINEをどこに使えばいいかが一気に見えてきます。電子書籍「顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書」では、お客さんが来店・再来店を決める流れを図解でわかりやすく解説しています。メールアドレスを登録するだけで無料で受け取れます。
ホームページを整えただけで、法人からの問い合わせが止まらなくなった実例
会員さんから実際にあった話を紹介させてください。
「団体様向けホームページページ整備で、法人・団体からの問い合わせが継続的に発生するようになりました」
飲食店経営者
これ、AIを使ったわけじゃないんですよ。ホームページに「20名以上の宴会・法人ご利用はこちら」というページを1ページ追加して、問い合わせフォームをつけた。それだけなんです。
でも考えてみると、法人の総務担当者が「会社の忘年会の会場を探している」とき、Googleで検索して上位に出てくるホームページに問い合わせするじゃないですか。そのページがなければ、電話で直接問い合わせるしかないわけで、今どきその手間をかける担当者は少ない。
つまり「問い合わせを受け取れる場所を作った」だけで、問い合わせが来るようになったんですよ。これがデジタル活用の第一歩です。高額なシステムは必要ない。
この考え方を応用すると、AIチャットを問い合わせフォームの横に設置して「営業時間や席数の基本的な質問はAIが24時間答える」という仕組みにすることもできます。これで深夜の問い合わせにも自動で対応できるようになるんです。
✓ ここまでのポイント
- AIや高額システムより先に、Googleマップ・ホームページ・顧客リストの「土台」を整えること
- 「問い合わせを受け取れる場所を作る」だけで、法人・団体客からの問い合わせが継続的に発生した実例がある
- AIチャットは「土台が整った後」の効率化ツールとして活用するのが正しい順番
ステップLINEや口コミ返信の自動化を「実際にどう設計するか」は、1記事では書ききれない部分があります。電子書籍「顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書」では、再来店・リピート導線の設計に使える考え方を体系的にまとめています。無料でダウンロードできるので、ツールを動かす前の設計図として活用してください。
LINE公式アカウントを使った「再来店の自動化」の始め方
LINE公式アカウントは、今すでに9,400万人以上(LINE社発表・2024年)が使っているツールです。お客さんが既に使っているツールを活用するのが、一番ハードルが低い。
ただ、「アカウント作ったけど、何を配信すればいいかわからない」という声もよく聞きます。そこでAIの出番です。
LINE活用 STEP 1
友だち登録を増やす仕掛けを店内につくる
レジ横やメニューブックにQRコードを貼って、「LINE登録で次回使える100円クーポンプレゼント」などの特典をつける。最初の友だち数が増えないと何も始まりません。
⚠️ よくある失敗:QRコードを貼るだけで、登録するメリットをお客さんに伝えていないケース。「なんのために登録するの?」が伝わらないと、誰もタップしてくれません。
LINE活用 STEP 2
ステップ配信(自動メッセージ)を設定する
登録した翌日・1週間後・1ヶ月後に自動でメッセージが届く仕組みをつくります。「先日はありがとうございました。今週のおすすめ一品はこちらです」という内容を、あらかじめ設定しておくだけ。配信作業は不要です。
このメッセージの文章作成にAI(ChatGPTなど)を使うと、1回で5〜10パターンを数分で作れます。「海鮮居酒屋で40代男性の常連客向けに、季節の魚を紹介するLINEメッセージを書いて」と入力するだけで、使えるレベルの文章が出てくるんですよ。
⚠️ よくある失敗:作ったメッセージが毎回「キャンペーンのお知らせ」ばかりになってしまい、読まれなくなるケース。告知3割・役立つ情報7割を意識してください。
LINE活用 STEP 3
来店回数に応じてメッセージを分ける
LINE公式アカウントの機能を使えば、タグ付けで「3回来た人」「半年来ていない人」を分けてメッセージを送ることができます。3回来た人には「次回から常連コースをご案内できます」と伝え、離れたお客さんには「最近お見かけしていなくて寂しいです」と送る。
このタグ付けの作業自体も、来店データを管理しておけばAIに「このリストをタグ分けして」と依頼して効率化できます。
⚠️ よくある失敗:全員に同じメッセージを送り続けて、配信停止される。「自分ごと」と感じてもらえる内容に変えることが大事です。
「新規集客は仕組みに任せて、時間とエネルギーは既存のお客さんとの関係を深めることに使う。これが社長の時間を取り戻す一番の近道です」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・店舗利益最大化コンサルタント)
AIを使って「社長の仕事」を絞り込む
AIで業務効率を上げるというと、「機械に仕事を奪われる」というイメージを持つ方もいるんですが、考え方が逆なんですよ。AIに任せた仕事の分だけ、社長が本来やるべき仕事に集中できるようになるんです。
たとえば——
- Googleマップの口コミへの返信文:AIに「こんな内容の口コミにお礼の返信を書いて」と頼むと、数秒で下書きができる
- メニューのPOPのコピーライティング:「季節の鍋コースの魅力を伝えるPOP文を3パターン作って」で完成
- 求人広告の文章:「主婦でも働きやすい居酒屋の求人文を書いて」で、ゼロから考える手間が大幅に省ける
「自分にしかできない」と思っていた作業を分解してみると、実はAIや仕組みに任せられることがたくさんあります。飲食店の自動化で社長の時間を取り戻す手順でも詳しく解説していますが、まずは「1週間の自分のスケジュールを全部書き出す」ところから始めてみてください。そこから任せられる仕事が見えてきます。
また、今後の業態展開や仕組みづくりを考えているなら、社長が現場から抜けるための仕組み化も合わせて読んでみてください。AI活用と組み合わせることで、より早く「現場を任せられる体制」が整います。
まとめ:AIは「難しいもの」ではなく「順番が大事なもの」
今回お伝えしたことを整理すると、こういうことです。
- まずGoogleマップ・ホームページ・LINE公式アカウントなど「お客さんが既に使っているツール」を整える
- 顧客リストを管理し、誰に何を届けるかを設計できる状態にする
- ステップ配信で再来店の導線を自動化し、社長が手を動かさなくても関係が続く仕組みをつくる
- 文章作成・口コミ返信・求人広告などの「考える作業」にAIを活用し、社長の時間を経営判断に集中させる
「まず何をすればいいか」が見えてきたでしょうか。大事なのは順番です。いきなり高額なシステムに飛びつくのではなく、身近なツールを一つずつ整えていく。その積み重ねが、半年後・1年後に「あのとき始めてよかった」と感じる結果につながります。
やることを増やすよりも、「やめること」を先に決めて、AIと仕組みに働いてもらう。それが「頑張らない繁盛」の考え方です。
一人で悩まず、ぜひ一歩踏み出してみてください。
LINEやAIを使いこなす前に、「何のために・誰に・どの順番で」届けるかを決める必要があります。増益繁盛クラブでは、全国の飲食店・美容室経営者と一緒に、こうした販促の設計から実践まで毎月サポートしています。初月980円のお試しから始められるので、まず自分に合うか確かめてみてください。