飲食店経営者の方にちょっと驚く話をさせてください。
私がこれまで全国1,000店舗以上の飲食店を支援してきた中で、「マーケティングを勉強したい」という経営者ほど、最初に間違った順番から手をつけているケースが非常に多いんです。
新規集客のSNS投稿から始める、チラシを作る、ポータルサイトに登録する……。もちろん、それ自体は悪いことじゃないんですが、そこから始めると「忙しいのに利益が残らない」「スタッフがバタバタしてお客さんに満足してもらえない」という状況を生みやすいんです。
じゃあ、何から始めればいいのか。今回は「働きがいのある店づくり」をマーケティングの出発点に置くという話をしていきます。これ、一見マーケティングと関係なさそうに見えて、実は集客にもリピートにも直結する最重要テーマなんですよ。
📋 この記事でわかること
- 飲食店マーケティングで最初にやるべき「順番」の正解
- スタッフが自発的に動く店をつくるための経営者の役割
- 「時給だけの関係」から「仲間」へ変えるための具体的ステップ
- スタッフの特技を活かして集客・リピートにつなげる実践例
こんな方におすすめ
- ✅ 集客に手をつける前に、まず店の内側を整えたい飲食店オーナーの方
- ✅ スタッフが定着せず、採用と育成にコストがかかり続けている方
- ✅ 「時給だけでつながる関係」ではなく、同じ目標を追える仲間をつくりたい方
- ✅ 経営者として現場から少しずつ抜け出し、仕組みで回る店にしたい方
- ✅ マーケティングを「広告の話」だと思っていて、何から学ぶか迷っている方

なぜ「スタッフとの関係」がマーケティングの土台になるのか
マーケティングというと、広告とか集客とか、外向きの活動のイメージが強いですよね。でも、個人店のマーケティングで本当に重要な原則は、外に打ち出す前に内側を整えることなんです。
お客さんはお店の雰囲気を敏感に感じ取ります。スタッフが楽しそうに働いているお店と、疲弊した顔で動いているお店、どちらにまた行きたいと思うか、考えるまでもないですよね。
つまりスタッフの働きがい=お客さんの満足度=リピート率という構造が実は成り立っているんです。「マーケティングを学ぶ」という話をするなら、この土台を先に作ることが、あらゆる集客施策の効果を何倍にも引き上げる。そういう意味で、これが「最初に学ぶべきマーケティング」だと私は考えています。
「経営者自身が最大の広告です。スタッフがどんな人と働いているかを外のお客さんは見ています。経営者のビジョンが店の空気をつくり、その空気がお客さんを惹きつけるんですよ。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店グループ総代表)
「スタッフとの関係が集客の土台になる」という話を読んで、「じゃあ自分の店の販促、どこから手をつけるのが正解なんだろう」と気になり始めていませんか。お客さんの購買行動を軸に、どの順番で販促を整えるかをわかりやすくまとめた電子書籍を無料でお渡ししています。メールアドレスを入力するだけで受け取れます。
ステップで理解する「仲間をつくる経営」の進め方
仲間づくり STEP 1
「絶対にやらないルール」を1つ決める
最初のステップは、理念や行動規範を難しく考えることじゃなくて、「うちの店では絶対にやらないこと」を1つ決めることです。たとえば「お客さんの前でスタッフを怒鳴らない」「無断でシフトを変えない」「仕込みをサボって手を抜かない」──こういった「絶対にやらないルール」を経営者自身が明言して、守り続けることからすべてが始まります。ルールがあると、スタッフは安心して働けるし、「この店は信頼できる」という感覚が生まれます。
⚠️ よくある失敗:「理念を作ろう」と張り切って長い文章を作るものの、一度も共有せず額縁に飾るだけで終わるパターン。まず1つの「やらないこと」を言語化して徹底するほうが、よほど効果的です。
仲間づくり STEP 2
スタッフを「時間で来て帰る人」ではなく「一緒に目標を実現する仲間」として扱う
次は関係の質を変えることです。朝礼で「今月の目標」を共有する、月に1回でいいので個別に話す時間を作る、達成したら一緒に喜ぶ。こういう小さなことの積み重ねが、「時給分だけ働く人」を「この店に関わりたい仲間」に変えていくんです。実際、私が支援してきた飲食店のオーナーさんたちが口を揃えて言うのは、「スタッフに目標を共有し始めてから、自発的に動いてくれるようになった」ということです。
⚠️ よくある失敗:「うちは忙しいから、そんな時間はない」と後回しにすること。逆に関係が薄いまま忙しさが続くと、スタッフが離れ、また採用に追われるという悪循環に入ります。
仲間づくり STEP 3
スタッフの趣味・特技に「仕事を合わせる」発想を持つ
ここが面白いところなんですが、スタッフの特技や好きなことを活かす場を用意すると、本人のモチベーションが一気に上がるんです。たとえば、手描きのイラストが得意なスタッフがいたらPOPを任せる、写真が上手なスタッフがいたらInstagramの投稿を担当してもらう、お客さんとの会話が得意なスタッフがいたらフロアを任せる。こうすることで、「自分がいなくても回る店」に近づきますし、スタッフ自身も「自分の得意が活きている」という充実感を感じてくれます。
⚠️ よくある失敗:スタッフ全員に同じ仕事を同じやり方で求めること。均質化を目指すより、得意を活かす分業体制のほうがはるかに生産性が上がります。
✓ ここまでのポイント
- マーケティングの土台は「外向きの集客」より先に「内向きのスタッフ関係」にある
- 「絶対にやらないルール」を1つ決めて守ることが、信頼ある職場の第一歩
- スタッフの特技を活かす仕組みをつくると、自発的に動く「仲間」に変わっていく
「スタッフが仲間として動く店」をつくるには、経営者がひとりで考え続けるより、実際に成果を出している仲間から学ぶほうがずっと早いんですよ。増益繁盛クラブでは、全国の飲食店・美容室オーナーが掲示板で販促や人材の実践事例を共有し合っていて、24時間AI経営相談も使えます。初月980円のお試し体験から始められます。
「仲間がいる店」はリピートが自然と増える
ここからがマーケティングとの接続点です。
スタッフが生き生きと働いている店は、お客さんとの会話が弾みます。お客さんの顔と名前を覚えて「また来てくれたんですね」と声をかけられる。こういう人間的なつながりが、リピートの一番の動機になるんです。
ある飲食店の会員さんから、こんな報告をいただいています。
「ハガキによる再来店対策だけで、来店が月4回ペースのお客さんが続出しました。平均来店間隔が2ヶ月に1回だったのが大きく短縮されて、驚いています。」
飲食店オーナー
このハガキを書いたのは、スタッフ自身です。「このお客さんにまた来てほしい」という気持ちがあるから、心のこもったメッセージが書ける。スタッフが仲間として機能しているからこそ、こういう施策が実際に動き始めるんです。
逆に言うと、どんなに優れた集客ツールを導入しても、スタッフがバラバラな状態では効果が半減します。「仕組みに働いてもらう」ためには、その仕組みを動かす人の気持ちが伴っていないといけないんですよ。
経営者が「最大の広告」になるための3つのチェック
チェックポイント1:自分の考えをスタッフに言葉で伝えているか
「言わなくても分かるだろう」は最も危険な思い込みです。経営者の頭の中にある「うちの店が大切にしていること」は、言葉にして繰り返し伝えない限り、スタッフには届きません。朝礼で1分話す、手書きのメモを渡す、小さな継続が大きな違いを生みます。
✅ ポイント:「うちの店が一番大切にしていることは何か」を一文で言えるか試してみてください。言えなければ、スタッフに伝わるはずがありません。
チェックポイント2:経営者自身が「やらないこと」を守れているか
スタッフにルールを守らせたいなら、まず経営者が率先して守ることが先決です。「自分は別」という態度は、スタッフの信頼を一瞬で崩します。経営者の言動が最大の広告であり、職場文化の源泉です。
✅ ポイント:先週1週間を振り返って、「自分でルールを破った瞬間」がなかったか確認してみてください。
チェックポイント3:スタッフの得意なことを1つ把握できているか
全員のことを完璧に把握する必要はありません。まず1人ひとりの「これが好き・得意」を1つずつ把握することから始めましょう。そこから「任せる仕事」が生まれ、スタッフの自発性が引き出されます。
✅ ポイント:今日、スタッフ1人に「何が一番楽しいですか?」と聞いてみてください。その答えがヒントになります。
「マーケティングの順番」を整理してまとめ
飲食店経営者が最初に学ぶべきマーケティングは、広告でも集客ツールでもありません。「スタッフが仲間として機能する店をつくること」、これが出発点です。
順番を整理すると、こういうことです。
❌ よくある間違いの順番
- まず新規集客の広告を打つ
- お客さんが来ても対応がバラバラでリピートにつながらない
- また集客に費用をかける……という繰り返し
✅ 利益が残る正しい順番
- まず「やらないルール」と「大切にすること」を言語化して共有する
- スタッフが自発的に動ける環境をつくり、リピートが自然と生まれる
- その土台の上に集客施策を乗せると、費用対効果が格段に上がる
「売上より利益を重視する」という考え方と同じで、見た目の派手な施策より、地道な土台づくりのほうがずっと遠くまで連れていってくれます。
個人店のマーケティングで押さえるべき最重要3原則も合わせて読んでいただくと、今日の話とつながってより深く理解できると思います。ぜひ読んでみてください。
まず今日から、「うちの店が絶対にやらないこと」を1つ決めてスタッフに伝えることから始めてみてください。その一歩が、働きがいのある店づくりと、利益が残るマーケティングの第一歩です。
今日の記事で「やらないルール」「スタッフの得意を活かす」「経営者が最大の広告」という3つのステップをお伝えしましたが、実際にどう動かすかは現場によって違います。増益繁盛クラブでは月次セミナーと全国経営者との交流で「次にやること」を具体化できる環境が整っています。初月980円のお試し体験で、一度中を確かめてみてください。