「コロナが明けたのに、なぜか売上が戻らない」「新規客はポツポツ来てくれるけど、スタッフの入れ替わりが激しくて現場がバタバタしている」「せっかくいいスタッフが育ってきたと思ったら、また辞めてしまった」――こういう声、本当によく聞くんですよ。
コロナ禍を生き延びて、さあこれからという時期に、足を引っ張っているのが「人」の問題だったりします。集客の仕組みを整えようとしても、現場を回す人がいない。新メニューを考えても、作れる人がいない。そういうジレンマに陥っている経営者の方が多いんですね。
実はコロナ後に売上を着実に伸ばした店には、ある共通した戦略があります。集客の話だけじゃなくて、「人が定着する仕組み」を先に整えていたんです。今回はその共通戦略を、具体的な手順と事例を交えてお伝えします。
📋 この記事でわかること
- コロナ後に売上を伸ばした店が最初に手をつけた「人の問題」の正体
- スタッフが定着しない本当の原因と、求人文句の間違いパターン
- 価値観で人を集める求人戦略と、チームが一体になる経営理念の使い方
- 特定のスタッフに頼らなくても売上が作れるメニュー構成の設計法
こんな方におすすめ
- ✅ スタッフが半年以内に辞めていくサイクルに悩んでいる方
- ✅ 求人を出してもなかなか応募が来ない、または来ても合わない方
- ✅ 特定のスタッフ(料理長・スタイリストなど)に売上が依存してしまっている方
- ✅ コロナ後に売上は回復傾向でも、利益が残らないと感じている方
- ✅ チームとして動ける組織を作り、自分が現場から離れる時間を作りたい方

「シフト相談OK」が、離職率を上げていた
コロナ後に立て直しを図った店舗のほとんどが、まず直面したのが採用難でした。でも、話を詳しく聞いてみると、問題は「採用できない」ことよりも「採用した人が定着しない」ことなんですよね。
よくある求人文句を振り返ってみてください。「シフト相談OK」「未経験歓迎」「扶養内OK」「週2日〜OK」――これ、全部「働く側の都合に合わせます」という言い方なんですね。一見親切そうに見えますが、この言葉に引き寄せられるのは、「都合が最優先の人」なんです。
都合優先で入ってきた人は、もっと都合のいい条件が出たらすぐ移ります。時給が50円高いところがあれば、それだけで辞めていく。これ、採用のやり方自体が離職率を上げているんですよ。
経営者が朝の時間をどう使うかが売上を変えるという話とも繋がるんですが、「何に時間とエネルギーを使うか」の設計が、人の採用においても同じように重要になってきます。
コロナ後に売上を伸ばした店が変えたのは、求人の「言葉」でした。
❌ よくある求人パターン
- 「シフト相談OK」「扶養内OK」「未経験歓迎」
- 時給・条件だけを前面に押し出している
- 誰に向けた求人かが一切わからない
- 都合優先の人が集まり、定着しないサイクルが続く
✅ 定着する人が集まる求人パターン
- 「新しいことにチャレンジしたい方へ」「短時間でテキパキ働きたい方へ」
- 価値観・仕事への姿勢で呼びかけている
- 「結婚・出産後に復職したい方」など、具体的な属性に語りかけている
- 仕事のやりがいや、お店のこだわりが伝わる写真と文章を使っている
求人の枠を大きく取って、「こんな仕事があります、こういう人と一緒に働きたい」という姿勢で出す。それだけで、応募の質がガラッと変わるんですよ。
求人の言葉を変えることの重要性は伝わったけれど、「実際にどんな言葉を使えばいいか」「どういう順番で販促を組み立てればいいか」が分からない、という段階の方もいると思います。お客さんの購買行動を軸に販促全体を見直せる電子書籍を無料でお渡ししています。メールアドレスを入力するだけで受け取れます。
経営理念がない店は、時給でしか人を繋ぎとめられない
求人の言葉を変えても、入ってから定着するかどうかは別問題です。入口を変えた後に必要なのが「共通言語」なんですね。
コロナ後に伸びた店のオーナーさんに話を聞くと、ほぼ共通して「経営理念を作った」「スタッフと繰り返し共有するようにした」という話が出てきます。
経営理念というと、額縁に入れて壁に飾るイメージを持つ方もいるんですが、そうじゃないんですよ。「うちのお店が何のために存在しているか」「お客さんにどういう思いで料理(サービス)を届けたいか」「スタッフとしてどういう姿勢で働いてほしいか」――これを言葉にして、繰り返し伝えること。これが経営理念の使い方です。
「時給で集めた人は時給で去ります。でも、理念で繋がった人は、多少条件が悪くても残ってくれる。それどころか、一緒にお店を良くしようと動いてくれる。採用の問題と思っていたことが、実は理念の問題だったというケースが非常に多いですね。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)
「絶対にやらないルール」を決めることも重要です。「お客さんに失礼な態度を取らない」「仕込みの手を抜かない」「仲間の悪口を言わない」――こういうルールを明文化して、守れない人には毅然と向き合う。それがチームとしての文化を作っていきます。
スタッフを「時間で来て帰る人」ではなく「一緒に目標を実現する仲間」として扱う。この発想の転換が、定着率を大きく変えるんですよ。
✓ ここまでのポイント
- 「シフト相談OK」など都合優先の言葉が、都合優先のスタッフを集めている
- 価値観・姿勢で呼びかける求人に変えると、応募の質が変わる
- 経営理念を繰り返しスタッフと共有することで、時給以外の繋がりが生まれる
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「料理長が辞めたら終わり」という構造そのものを変える
定着しない理由のもう一つが、「特定のスタッフに負荷が集中している」問題です。
料理長がいないと厨房が回らない。スタイリストが1人しかいなくて、その人が体調を崩したら売上がゼロになる。こういう構造になっている店は、そのスタッフ自身も疲弊しますし、「自分がいないとダメなのに、待遇が追いついていない」という不満が積み上がっていくんですね。
コロナ後に売上を伸ばした店が取り組んだのは、「特定の人がいなくても売上が作れるメニュー構成」への見直しでした。
チェックポイント1:料理長(スタイリスト)がいないと出せないメニューが何品あるか
メニューブックを開いて、「この人がいないと作れない」という商品をカウントしてみてください。それが多いほど、その人への依存度が高く、抜けた時のダメージが大きい。
✅ ポイント:仕込みや工程を分解して、誰でも対応できる部分を切り出す。「料理長にしかできない工程」を最小化することが第一歩です。
チェックポイント2:スタッフの得意・趣味が仕事に活かされているか
占い好きなスタッフがいたら占いコーナーを作る、SNSが得意なスタッフにはInstagramの投稿を任せる――これは実際に定着率が上がった店でよく見られるアプローチです。スタッフが「自分の得意を活かせる場所」と感じると、お店への帰属意識がグッと上がります。
✅ ポイント:仕事をスタッフに合わせる発想を持つ。「うちの仕事をやってもらう」ではなく「この人の強みを活かせる仕事を作る」という逆転の発想が、長く続く関係性を作ります。
チェックポイント3:負荷が集中しているスタッフに、それに見合う役割と評価があるか
「任せているのに待遇は同じ」では不満が溜まります。責任を持ってもらうなら、それに応じた役割名・評価・収入の設計が必要です。
✅ ポイント:「副料理長」「チーフスタイリスト」など役割を明確にし、目に見える形で評価する仕組みを作ることが離職予防につながります。
「値段を上げたら逆に売れた」の背景にあるもの
人の定着と並んで、コロナ後に売上を伸ばした店が徹底したのが「安売りから抜け出す」ことでした。
実際にこんな事例があります。
「1,800円で売れなかった自家製ドレッシングを5,000円に値上げしたところ逆に売れ、全国雑誌・新聞に取り上げられました」
飲食店オーナー(物販の取り組み)
これ、なんで値上げしたら売れたのかというと、「価格がそのままメッセージになる」からなんですね。1,800円だと「手頃なお土産」ですが、5,000円だと「これは特別なものだ」という印象になる。そこに商品の背景・ストーリー・こだわりが乗っかることで、「なぜその値段なのか」が腑に落ちる。
コロナ後に伸びた店は、値引きで集客するのをやめて、「価値を伝えて選んでもらう」方向にシフトしました。売上と利益の違いをきちんと理解することが、この転換の土台になっています。
スタッフの定着とも実は連動しています。安売りで集客していると現場が疲弊します。「頑張っているのに、安い値段でこき使われている」という感覚になる。利益率が上がって、お店に余裕が生まれると、スタッフへの還元もできるし、職場の雰囲気も変わっていくんですよ。
お客さんとの接触頻度が売上に比例するという法則がありますが、これはスタッフとの関係にも同じことが言えます。理念を繰り返し共有する、日々の声かけを大切にする――その積み重ねが、チームとしての強さになっていきます。
まとめ:コロナ後に伸びた店がやっていた、3つのこと
コロナ後に売上を伸ばした店の共通戦略を整理すると、次の3点に集約されます。
まず、求人の言葉を「都合優先」から「価値観共鳴」に変えたこと。「シフト相談OK」ではなく「こういう人と働きたい」という言い方に変えるだけで、応募の質が変わります。
次に、経営理念を明文化してスタッフと繰り返し共有したこと。時給だけで繋がる関係から、目標と価値観で繋がる関係にシフトすると、定着率が変わります。
そして、特定のスタッフへの依存を減らし、それぞれの得意を活かせるメニュー・仕組みを整えたこと。「あの人がいないと回らない」という構造そのものを見直すことで、チーム全体が強くなります。
これら3つは、どれも「すぐに大きな投資が必要」なものではありません。今日から言葉を変える、今週から理念を語り始める――そういう積み重ねが、半年後・1年後の現場を大きく変えます。
「頑張らない繁盛」の仕組みは、人が定着してこそ機能します。ぜひ今回の内容を、明日の現場で1つだけ実践してみてください。
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