Uber Eatsに出店している飲食店のうち、「始めてみたけど利益が出ていない」と気づかないまま続けている店舗が実は相当数ある、というのが現場を見ていての実感です。
始める前の「やってみたい」という気持ちはよくわかります。でも、「Uber Eatsに出れば売上が増える」という話と、「Uber Eatsで利益が残る」という話は、まったく別の話なんですよ。今回は、出店を判断する前に必ず押さえてほしい軸を、順番に整理してお伝えします。
📋 この記事でわかること
- Uber Eatsの手数料構造と、利益が残るかどうかの計算の仕方
- 既存の店舗営業との兼ね合いで出店が「合う店・合わない店」の見極め方
- Uber Eatsを「第二の収益柱」にするための正しい発想の順番
- 出店を判断する前に試せる、リスク最小のアプローチ
こんな方におすすめ
- ✅ Uber Eats出店を検討中だが、本当に儲かるか不安な飲食店オーナーの方
- ✅ 売上の柱を増やしたいが、何から手をつければいいか迷っている方
- ✅ 手数料の高さは知っているが、それでも「やるべきか」の判断がつかない方
- ✅ デリバリーを新事業として育てるイメージが描けていない方
- ✅ 1店舗経営から次のステップを模索している飲食店経営者の方
Uber Eatsの手数料、実際にいくら取られるの?
まず数字から入りましょう。Uber Eatsの飲食店側の手数料は、売上に対しておおよそ35%前後(プランによって異なる)かかります。つまり1,000円の注文が入っても、お店の手元に残るのは650円前後ということです。
飲食店の原価率が30%だとすると、1,000円の商品の原価は300円。そこから手数料350円を引くと、残るのは350円。ここから人件費・光熱費・梱包資材費が乗ってきますから、多くのケースで実質的な利益はほぼゼロ、あるいはマイナスになるという計算が見えてきます。
「売上が増えた」という感覚は確かにあるんですが、利益ベースで見ると全然残っていなかった、というのが正直なところです。これを知らずに「Uber Eatsで月○○万円売れた!」と喜んでいる状態は、少し危ない。
チェックポイント①:出店前に「利益シミュレーション」をやっているか
今販売しているメニューの原価率を出して、手数料35%を乗せた後に利益がいくら残るかを1品ずつ計算してみてください。
✅ ポイント:原価率が低い(20%以下)商品に絞ってデリバリー展開する、または「デリバリー専用価格」を設定して利益を確保するのが現実的な対処法です。
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「既存の店舗営業」との相性はどう見ればいい?
次に確認してほしいのが、デリバリー注文がピークになる時間帯と、店内営業のピーク時間帯が重なっていないかという点です。
ランチ営業中に次々とデリバリー注文が入ってきて、店内のお客さんへの提供が遅れてしまう──これは実際によく起きることなんです。デリバリーで売上が増えても、店内のリピーターを逃していたら本末転倒ですよね。
❌ よくある失敗パターン
- ランチ・ディナーのピーク時間にデリバリー注文が集中し、オペレーションが崩れる
- 梱包・配達待ちで厨房スペースが圧迫され、料理の質が落ちる
- スタッフの負担が増えて離職リスクが上がる
✅ 合う店のパターン
- 店内営業とデリバリー注文のピーク時間がずれている(例:夜だけ営業のお店が昼のデリバリーを受ける)
- 調理工程がシンプルで、デリバリー専用メニューに絞り込めるお店
- 厨房に余力があり、デリバリー用の動線を別に作れる規模感のお店
要するに、「今の店内オペレーションを壊さずに乗せられるか」が判断の分かれ目です。
✓ ここまでのポイント
- 手数料35%の現実を踏まえ、利益が残るかを1品単位で計算することが先決
- 既存の店内営業のオペレーションを壊さないことが、デリバリー参入の大前提
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Uber Eatsは「第二の収益柱」になり得るのか?
ここからが本題です。「Uber Eatsで売上を増やしたい」という気持ちはよくわかります。でも私がもっと大事だと思うのは、「何のためにデリバリーをやるのか」という目的を先に決めることなんですよ。
「このままこの1店舗だけでいいのか」「人口減少時代に備えて収益の柱を増やしたい」──こういう将来への危機感から動こうとしている方は、実は正しい感覚を持っています。ただ、その解決策としてUber Eatsがベストかどうかは、別の話として考える必要があります。
「Uber Eatsへの出店は、集客チャネルの一つとして使うのか、それとも別業態の実験場として使うのか、目的によって全然違う判断になります。目的が曖昧なまま始めると、売上は増えても利益は残らず、疲弊だけが残ることになります」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・店舗利益最大化コンサルタント)
もし第二の収益柱を本気で作りたいなら、私がおすすめするアプローチは「既存の商品・素材を分解して別業態を作る」という発想です。
たとえば洋食屋さんなら、ソースを使ったパスタ専門業態、オムライス専門業態など、すでに持っているものを組み替えるだけで別の業態が生まれる。これをデリバリー専門業態として打ち出すなら、Uber Eatsも有効な出口になります。でも「今の店舗メニューをそのままデリバリーでも売る」だけでは、柱にはなりにくい。
実際に私が支援してきた会員さんの中には、この「分解→組み替え」の発想で新しい収益源を作り、後に居抜き物件を活用して2号店として独立させた方もいます。最初から大きな投資をせず、小さく実験してから判断する──これがリスクを最小化する方法です。
「デリバリー専用業態」として設計するには?
Uber Eatsで利益を残そうとするなら、「今の店のメニューを出す」ではなく、デリバリー専用に設計した業態・メニューを別物として作るのが正解です。
出店設計 STEP 1
原価率20%以下で作れるメニューを選ぶ
手数料35%をカバーして利益を残すには、原価率を下げるしかありません。たとえば唐揚げ・チャーハン・炊き込みご飯系など、原価が抑えられて尚且つ配達後も品質が落ちにくい商品が候補になります。
⚠️ よくある失敗:刺身や揚げたて前提の料理など、デリバリーで品質が落ちるメニューをそのまま出してクレームが増え、評価が下がるケース。
出店設計 STEP 2
「デリバリー専用の屋号・コンセプト」を作る
Uber Eatsの一覧の中で選ばれるには、その業態・屋号ごとに「誰の、どんな悩みを解決するか」が明確なほど強い。「○○専門店」「夜食に最適な○○」など、お客さんの要望・場面に絞った打ち出し方が鍵です。
⚠️ よくある失敗:「なんでもあります」系のメニュー構成で、Uber Eatsの一覧の中で埋もれてしまうケース。
出店設計 STEP 3
3ヶ月を実験期間と決めて、数字で判断する
「とりあえずやってみる」ではなく、最初から「3ヶ月後に利益がXX万円出ていなければ撤退する」という基準を決めておくことです。撤退すべきか続けるべきかの判断基準を事前に設けておくと、感情ではなく数字で判断できるようになります。
⚠️ よくある失敗:「もう少し様子を見よう」を繰り返して、半年・1年と損失を垂れ流し続けるケース。
「Uber Eatsで本当に利益を残している飲食店の共通点は、デリバリー専用に設計した商品を持っていることです。今あるメニューをそのまま出すだけでは、手数料分の赤字を働いて埋めているだけになりがちです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・店舗利益最大化コンサルタント)
「第二の柱」を作る発想は、Uber Eatsだけじゃない
ここまで読んで、「Uber Eatsって思ったより難しいな」と感じた方もいると思います。それは正しい感覚です。ただ、その感覚と「第二の収益柱を作りたい」という気持ちは、切り離して考えてほしいんですよ。
デリバリー以外にも、テイクアウト・物販・サブスクリプション・通販など、既存の商品・素材を分解して新しい窓口を作る選択肢はたくさんあります。実際、私の支援してきた会員さんの中には、コンサルティングの学びを活かして自ら副業コンサルタントとして独立し、他の経営者を指導するまでになった方が多数います。これも「既存の知見を分解して別の形に組み替える」という発想の応用なんですよね。
「POPとメニューブック改善で客単価5%アップ、売上過去最高を達成しました」
中華料理店(男性・60代)
「業態を変える・増やす」より先に、今のお店の客単価・来店頻度を上げることで利益を最大化できている方も多いです。新しいことを始める前に、今の店舗の利益を最大化できているかを確認するのが実は近道だったりします。
Uber Eatsへの出店は、あくまで「選択肢の一つ」です。目的・数字・オペレーションの3点が揃ったときに初めて、出店を判断する土台が整います。
まとめ:Uber Eats出店を判断する3つの軸
最後に整理しましょう。Uber Eatsに出店すべきかどうかは、次の3つの軸で判断してください。
- 利益の軸──手数料35%を乗せても利益が残るメニューを設計できるか
- オペレーションの軸──既存の店内営業を壊さずにデリバリーを乗せられるか
- 目的の軸──集客チャネルとして使うのか、新業態の実験場として使うのか、目的が明確か
この3つが揃っていれば、Uber Eatsは有効な手段になります。逆に1つでも曖昧なまま始めると、売上だけが増えて利益が残らない、という状態になりやすいです。
「第二の収益柱を作りたい」という気持ちは本当に大切です。ただ、その第一歩として何を選ぶかは、じっくり考えてほしいですね。今の店舗の利益を最大化する仕組みを先に作り、その上で新しい窓口を広げていく順番が、長続きする経営につながります。
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