人手不足・スタッフ育成

外国人採用で人手不足を乗り切る、準備のポイント

「求人を出しても誰も来ない」「やっと採用できたと思ったらすぐ辞めてしまった」——そんな経験、ここ数年で急に増えていませんか?

特に夏場(8月)は、飲食店にとって稼ぎどきであるにもかかわらず、スタッフ不足で本来取れるはずの売上を逃している、という声をよく聞きます。そんな状況の打開策として、最近「外国人採用を検討しています」という相談が増えてきているんですよ。

ただ、外国人採用って、「なんとなく難しそう」「手続きが複雑そう」というイメージがあって、一歩踏み出せずにいる経営者の方がとても多い。そこで今回は、初めて外国人採用に取り組む飲食店・美容室の経営者の方に向けて、「まず何を準備すればいいか」を順番に整理してお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 外国人採用を検討する前に知っておくべき「採用戦略の考え方」
  2. 受け入れ前に整えておくべき職場環境・仕組みのポイント
  3. 外国人スタッフが定着するための「仕事をスタッフに合わせる」発想
  4. 採用コストの正しい比較の仕方と、利益を残すための順番

こんな方におすすめ

  • ✅ 求人を出しても応募がなく、外国人採用を初めて検討している方
  • ✅ 外国人スタッフを採用したいが、何から準備すればいいか分からない方
  • ✅ スタッフが定着せず、毎年採用コストが膨らんでいる方
  • ✅ 人手不足でシフトが組めず、売上機会を失っている飲食店・美容室オーナー
  • ✅ 採用後の定着・戦力化に自信がなく、踏み出せずにいる方
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そもそも「なぜ外国人採用が注目されているのか」を整理しよう

まず根本的な話をしておくと、今の人手不足の本質は「採用競争が激しい層ばかりを狙っている」ことにあるんですよ。

多くの飲食店や美容室が求人を出すとき、無意識に「若くて元気な20代」「すぐ戦力になる有経験者」を想定しています。でも、その層はみんなが欲しがっている。大手チェーンも、新しくオープンした競合店も、同じ層を狙って時給を上げたり、求人サイトに高い広告費を払ったりしている。結果として、個人経営の小さなお店は価格競争に引っ張られて、採用してもコストだけがかさむ、という悪循環に陥りがちです。

外国人採用が注目されるのは、この「競争の外側を狙う」という発想と同じ文脈なんですよ。ただ、外国人採用はそれだけ単独で語っても意味がなくて、受け入れ側の「仕組み」が整っていなければ、むしろ定着せずにコストが増えるだけになってしまう。

だから最初に、採用「する前」の準備をしっかり整えることが大切です。

「採用の問題は、採用の場面だけで解決しようとしても限界があるんです。働く環境・シフトの組み方・仕事の教え方、これらが整っていない職場には、どんなスタッフも長く居続けられない。外国人採用も、そこは同じです。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・店舗利益最大化コンサルタント)

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採用の前に「狙う層」を変えることを考える

外国人採用の話に入る前に、一度立ち止まって考えてほしいのが「そもそも狙う人材層は本当にそれでいいか」という点です。

たとえば、日本でいう「余っている層」——つまり主婦の方、定年退職後の方、短時間だけ働きたい方——と同様に、外国人の方の中にも「午前中だけ働きたい」「週3〜4日でいい」「土日はお休みしたい」という希望を持っている方がたくさんいます。

留学生であれば週28時間という就労制限がありますし、特定技能や技術・人文知識・国際業務などのビザによっても働ける範囲は変わってきます(詳しくは出入国在留管理庁のガイドラインで確認してください)。

ここで大事な発想の転換が「仕事をスタッフに合わせる」ということです。

❌ よくあるパターン(仕事ありきの採用)

  • 「フルタイムで入れる人を探す」「経験者じゃないと無理」という条件を最初に決めてしまう
  • 時給だけで他店と競争しようとする
  • 求人票に「シフト応相談」と書くだけで、働くイメージが伝わっていない

✅ 推奨アプローチ(スタッフに合わせた仕事設計)

  • 「10時〜15時・週3日・残業なし」など、働きやすい条件を先に整える
  • 外国人の方が応募しやすい言語・ビジュアルで働く姿をイメージさせる求人をつくる
  • 「留学生歓迎・週28時間以内で調整します」など、具体的な呼びかけを入れる

これ、実は日本人の主婦採用のときと考え方は全く同じなんです。「この人に来てほしいなら、この人に合う働き方を用意する」という順番が大切ということですね。

✓ ここまでのポイント

  • 人手不足の根本原因は「競争の激しい層ばかりを狙っていること」。外国人採用も例外ではなく、狙う層と条件設計の見直しが先決。
  • 外国人採用は「仕組みが整っている職場」にしか定着しない。採用の前に受け入れ環境を整えることが最優先。
  • 「仕事をスタッフに合わせる」発想で、時給だけの価格競争から抜け出せる。

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採用前に整えておきたい「受け入れ環境」の4つのポイント

外国人スタッフを採用する前に、職場の中に仕組みとして整えておきたいことがあります。ここが準備できていないと、せっかく採用しても3ヶ月で辞めてしまった、ということになりかねません。

チェックポイント1:仕事の手順が「見える化」されているか

言葉の壁がある分、口頭で「見て覚えてね」という教え方は通用しません。写真付きのマニュアル、動画での手順説明、チェックリストなど、文字を読まなくても動ける仕組みが必要です。これは外国人スタッフに限らず、日本人の新人育成にも使えるものなので、この機会に整備しておくと一石二鳥になりますよ。

✅ ポイント:まずはオープン準備・ホール接客・片付けの3つの工程だけマニュアル化するところから始めると現実的です。

チェックポイント2:シフトの上限・働き方の条件が明確か

留学生なら週28時間、特定技能なら所定労働時間内、と就労に関するルールがあります。事前に確認せず採用して後からトラブルになるケースも少なくありません。

✅ ポイント:採用する在留資格ごとに就労可能な時間・業務範囲を必ず確認し、シフト設計に組み込んでおくこと。不明な点は社会保険労務士や行政書士に確認するのが安心です。

チェックポイント3:コミュニケーションの「共通ルール」があるか

日本語が堪能でない場合も多いため、翻訳アプリの活用・絵文字での意思疎通・基本フレーズの一覧表など、言葉に頼らない伝え方のルールを先に用意しておくと現場がスムーズになります。

✅ ポイント:「これをやったらOK」「困ったらこの人に聞く」という基本ルールを1枚の紙にまとめて貼っておくだけでも、最初のストレスが大幅に減ります。

チェックポイント4:採用コストと機会損失を数字で比べているか

「時給を100円上げるのは難しい」という声をよく聞くんですが、一方で採用できずにスタッフが足りない状態が続くと、どれくらいの機会損失が出ているか計算したことはありますか?1日の売上が5万円のお店で週2日ランチを捌けていないなら、月40万円以上の機会損失が出ているケースもあります。時給100円アップと採用コスト・機会損失を冷静に比べると、答えは変わってくるんですよ。

✅ ポイント:「採用にかかるコスト」だけでなく「採用できないことで失っている売上と利益」も合わせて計算してみてください。また、短時間労働者を戦力化する仕組みのポイントも参考にしながら、採用後の定着率を上げる仕組みを先に設計しておくことが大切です。

「定着する職場」に変えるための、もう一つの視点

外国人スタッフが長く働き続けてくれるお店には、共通点があります。それは「この職場で働くことで、自分の生活が安定する・成長できる」という実感を持てること。

ここで一つ、会員さんの実践事例をご紹介したいと思います。

「VIP顧客リストを整備してLINEを活用したことで、1人あたりの累計利益を大幅に引き上げることができました。」

飲食店経営者(会員さん)

これ、「顧客」の話じゃないの?と思った方もいるかもしれません。でも実はこれ、スタッフ定着の話と深くつながっているんですよ。

お客さん1人あたりの利益(累計利益)が増えると、お店全体の利益率が上がります。利益が出ているお店は、時給を少し上げる余裕ができる。残業を減らすシフト設計ができる。研修や福利厚生に投資できる。その結果、スタッフが「このお店で長く働きたい」と思えるようになる。

つまり、集客と採用・定着は別の話じゃないんです。利益の出る体質をつくることが、採用力を上げることにも直結しているということですね。業種別の利益率の目安と改善のポイントも合わせて確認してみると、自店の現状が見えてきますよ。

「スタッフが定着しないのは、スタッフに問題があるのではなく、お店の利益構造・働き方設計に問題があることがほとんどです。外国人採用も、日本人採用も、根っこの処方箋は同じです。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)

外国人採用の「実際の流れ」を知っておこう

最後に、実際に外国人を採用するまでのざっくりした流れをお伝えします。ここでは難しい法律の話は省いて、「経営者として知っておくべき順番」だけ整理します。

採用の準備 STEP 1

在留資格の確認

採用したい外国人の方が「どのビザで日本にいるか」によって、働ける時間・業務の範囲が変わります。留学ビザ・特定技能・技能実習(2024年から育成就労制度へ移行が進行中)・永住者など、まず在留カードで確認するのが最初のステップです。

⚠️ よくある失敗:在留資格を確認せず採用してしまい、後から就労制限に引っかかるケースがあります。採用面接の段階で必ず在留カードを確認する習慣をつけてください。

採用の準備 STEP 2

求人票・説明の多言語対応

外国人の方が応募しやすくするために、求人票の一部を英語・中国語・ベトナム語などで補足説明する、あるいは写真・イラストで仕事内容を視覚的に伝えるだけでも反応が変わります。求人クリック率を上げる写真の選び方のポイントを参考に、働く現場の写真を積極的に使うことも効果的です。

⚠️ よくある失敗:日本語の求人票をそのまま外国人向けに使い回しても、「どんな仕事か」が伝わらないためほぼ反応がありません。視覚的に伝える工夫を必ず加えてください。

採用の準備 STEP 3

採用後の「戦力化」の仕組みを先に設計する

採用してから「どう教えるか」を考えていては遅い。チェックリスト・写真マニュアル・先輩スタッフとのペア研修など、最初の1ヶ月でひとり立ちできる仕組みを採用前に準備しておくことが定着率を大きく左右します。

⚠️ よくある失敗:「とりあえず来てもらってから考えよう」という場当たり的な受け入れで、外国人スタッフが孤立して早期退職してしまうケースが非常に多い。受け入れ側の「仕組み」が採用成功の8割を決めると思ってください。

まとめ:外国人採用は「準備8割・採用2割」

外国人採用に踏み出したいなら、まず「受け入れる側の仕組みを整える」こと。これが全てのスタートです。

採用した後に「思っていたのと違う」「定着しない」と悩む経営者の多くは、採用前の準備が後手に回っています。でも逆に言えば、仕組みさえ整っていれば、外国人スタッフも日本人スタッフと同様に、長く、戦力として活躍してくれる可能性が十分にある。

全国1,000店舗以上の店舗支援の現場で見てきた経験から言えるのは、「採用できない」という悩みの本質は採用の場面ではなく、お店の利益構造・働き方設計・受け入れの仕組みにある、ということです。

外国人採用も、主婦採用も、定年退職者採用も、根本の処方箋は同じ。「余っている層に狙いを変え、その人たちに合った働き方を用意し、仕組みで定着させる」——この順番を大切にしてみてください。

外国人採用の準備を整える前に、まず「利益が残るお店の体質」をつくることが先決——そう感じてもらえたなら、次の一歩は増益繁盛クラブの入会案内を見ることです。24時間使えるAI経営相談や、全国の飲食店・美容室オーナーとの掲示板交流で、採用・定着・利益改善を同時に動かしていく仲間と仕組みが手に入ります。まず初月980円のお試しで、自分のお店に合った使い方を確かめてください。

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